アップル純正エアロバイクが発売される可能性も?

Apple Vision Pro、「Macアプリがそのまま動く」見送りか

Image:Apple

アップルは空間コンピュータ(AR/VRヘッドセット)「Vision Pro」をWWDCの基調講演で発表し、多彩な機能を披露していた。だが、最速の米国でも2024年初頭に発売ということもあり、ハードウェアやソフトウェアの詳細が全て明らかにされたわけではない。

本製品につき発表前から正確な情報をリークしてきたThe InformationのWayne Ma記者が、社内で準備されながらも発表が見送られ、あるものは開発中止、あるものは開発が続く機能をいくつか報告している。

フィットネス

基調講演ではマインドフルネスが紹介されていたが、実はフィットネスサービス「Apple Fitness+」関連のアプリも準備されていたという。

ヘッドセットを使ったワークアウト向けにナイキのようなブランドとのコラボも検討され、また汗をかくような強度の運動に適したフェイスクッションも研究していたとの証言もある。カメラを使って呼吸を計測するヨガアプリや、太極拳の指導アプリも開発されていたとのこと。

さらには「ステーショナリーバイク(固定式自転車)に乗りながらVision Proを装着し、コンテンツと対話するもの」もあったという。要は、Pelotonのエアロバイクのようなアクセサリーとの併用も探られていたようだ。

純正エアロバイクが発売されるかどうかはともかく、アップルがVision Proをフィットネス方面で活用しないとは考えにくいだろう。

全身トラッキング

もともと計画されていた全身トラッキングは、現時点(6月21日)では未完成だという。この機能は、Vision Proに下向きのカメラが2つ搭載され、装着者の体と手を見ることができる理由の1つだそうだ。

発表イベント後にアップル主催で行われたSlack会話のスクリーンショットによると、来年Vision Proが出荷される際に、全身トラッキングは利用できないと開発者に伝えられたとのことだ。

ゲーム

フィル・シラー(前ワールドワイドマーケティング担当上級副社長。現Appleフェロー)は、Vision Proでのゲームに焦点を当てるよう推したが、ハンドトラッキングに依存するため、当面は後回しになるかもしれないという。

やはり上記のSlack会話でも、アップル側はハンドトラッキングはジェスチャーをしたり、視覚的なフィードバックを出したり、より細かなインタラクションを行うタスクには向いているが、ゲームに不可欠な精度の高いインタラクションには最適とは言えないと述べていたそうだ。

Macアプリ


実は「Vision Pro上でMacアプリを実行できる」ことが検討されていたという。Macアプリをウィンドウから3D空間へとドラッグし、実質的にVision Pro上でMacソフトウェアを実行する機能である。

しかしアップルは、Vision Proの「visionOS」がmacOSの縮小版であるiOSをベースにしていることを考えると、十分な能力が見込めないため、この機能を早期に中止したそうだ。

実際に搭載されるのは、Vision Pro内にMacの外部ディスプレイを表示する機能と、iPhoneやiPadのアプリ(開発者の同意があるものに限る)やVision Proのネイティブアプリを実行する機能となった。Macの代わりとはならないがiPhoneやiPad以上になった、というところだ。

全身アバター

遠くに住む友人とまるで同じ部屋にいるかのように会話できる「co-presence」機能が開発中であり、まだ中止されていないという。装着者の体の動きをトラッキングし、3D空間でその人のアバターを表現するというものだ。

2024年初頭にVision Proを発売されるまで半年前後はあるため、これら以外にも追加される機能があるのかもしれない。アップル製品の魅力は、OSのアップデートで機能が次々と増えることにもあり、約50万円の価格を安いと思えるほどの実用性を備えると期待したいところだ。

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