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第66回グラミー賞、選考対象は「人間のクリエイターに限る」新ルールを導入

Image:Miriam Doerr Martin Frommherz / Shutterstock

音楽業界の最も著名な賞であるグラミー賞は、第66回グラミー賞から適用される新ルールとして「ノミネートおよび受賞の対象となるのは人間のクリエイターだけであり、人間の作者を含まない作品はどのカテゴリーにおいても対象外とする」と発表した。

これは昨今のジェネレーティブAIが作り出した音楽の取り扱いを明確にする動きと言えそうだ。ただし、AIを使用した作品がすべて自動的に対象外となるわけではなく、作品における人の手による著作要素が重要になると、賞を運営するレコーディング・アカデミーは述べている。音楽作品においてAIの部分的な使用はあっても、「人間のクリエイターによる著作要素はそれなりの量が必要となり、またその人間の要素はエントリーされるカテゴリーに関連している必要がある」とのことだ。つまり、楽曲の録音物すべてをAIで出力したものなどは対象外になる。

たとえば、作品が作曲部門にエントリーされる場合は、作品の楽曲や歌詞が重要となりその部分にクリエイターによるしかるべき分量の著作要素がなければならない。同様に、作品がパフォーマンスに関する部門へのエントリーをする場合は、そのパフォーマンス、つまり演奏や歌唱などにおいてクリエイターによるしかるべき量の著作要素が必要になる。

レコーディング・アカデミーの最高経営責任者(CEO)、ハーベイ・メイソンJr.氏は「AIの声による歌唱であったり、AIによる楽器演奏があれば、それを審議するつもりだ」とグラミーのウェブサイトにて語っている。「しかし、ソングライティングに基づいたカテゴリーでは、それは主に人間によって書かれたものでなければならない」とした。

また楽曲に使用されたAI素材の作者は、当該AI素材による作品への貢献度に関する限り、ノミネート対象になることはなく、受賞資格を持ち得ないとされている。

Image:Recording Academy

AI以外のルールについてもいろいろと変更が加えられた。最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の主要4部門においては、ノミネート数をそれぞれ10組から8組に。また最優秀アルバム賞へのノミネートには、音楽クリエイターがアルバム全体の少なくとも20%に参加していることが必要という条件が加わった。これまでは、プロデューザー、作曲家、エンジニアなどから、フィーチャリングアーティストまで、アルバムに貢献した人は例えそれが1曲だけでも、ノミネート対象に含まれていた。この変更はアルバムの製作参加者なら誰でもノミネートに含まれるとした2021年の変更を覆すものだ。

一方、これまでになかった新部門として、最優秀アフリカン・ミュージック・パフォーマンス賞、最優秀オルタナティブ・ジャズ・アルバム賞、最優秀ポップ・ダンス・レコーディング賞の3つが追加された。

2024年冬に開催される第66回グラミー賞の選考対象となるのは、これらの条件を満たし、2022年10月1日から2023年9月15日の間にリリースされた楽曲およびアルバムとなる。ノミネート発表は11月の予定だ。

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