安全性は保護者が配慮を

Meta Questの推奨年齢が10歳に引き下げ。今年後半から

Image:Abel Brata Susilo/ShutterStock.com

Metaは6月17日、同社のVRヘッドセット「Meta Quest2」および「Meta Quest 3」の利用対象年齢を、今年後半に13歳から10歳に引き下げると発表した。10歳~12歳のプレティーンの場合は、保護者が管理する新しいMetaアカウントを作成して利用可能となる。

この保護者が管理するアカウントは、当然ながら開設には保護者の承認が必要となっており、アプリストアからダウンロードするアプリも保護者が管理できるようになる。保護者がプレティーンアカウントの情報をMetaに共有することを承認すると、ストアでは年齢に応じたアプリのみを推奨するようになる。

なお、プレティーンには広告が表示されないほか、他のユーザーは保護者の承認なしにはプレティーンアカウントをフォローできない。このほか、いわゆるペアレンタルコントロール機能として、デバイスの仕様時間やアプリの管理、キャスト機能を使ったVRで表示している画面の確認なども行える。

対象年齢の引き下げは、Metaのプラットフォームには魅力的で教育的なコンテンツが多数あり、その大部分はエンターテイメントソフトウェアレーティング委員会(ESRB)と国際年齢レーティング連合(IARC)により10歳以上向けにレーティングされているというのが理由の様子。ようするに、10歳以上を対象としたコンテンツが多数あるので、デバイス自体も10歳から使えるようにするというわけです。

ただ、Metaはこれまで、怪我や悪影響のリスクがあるとして対象年齢を13歳以上に設定していた。このあたりに関しては、子供の使用に適しているかどうかを判断するための情報と、ヘッドセット内での体験を快適かつ安全にする方法を保護者に提供するとしており、利用の可否は保護者が判断するようにという姿勢だ。

Image:Meta

視覚の発達段階にある子供のVR利用に関しては、以前から議論されてきているが、いまだに明確な基準は存在していない。

なお、2010年発行と少し古い資料になるが、3Dコンソーシアムは、子供の3Dの機器利用に関しては、発達段階の視機能への影響を考慮した上で、大人の管理のもとに視聴の可否判断、視聴時間制限をするのが望ましいとした3D安全ガイドラインを公開している。

VRやARなどのヘッドセットの子供の利用に関しては、あらためて議論が必要なのかもしれない。

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