Apple Vision Proの業務用アトラクション投入もあり得る?

アップル、USJマリオカート用ARヘッドセット企業Miraを買収

Image:Usa-Pyon/Shutterstock.com

アップルが「Apple Vision Pro」を発表した翌日、同社がARヘッドセットのスタートアップMiraを買収したことが明らかになった。

テックメディアThe Vergeによると、MiraのCEOであるBen Taft氏はInstagramで「Excited for Mira’s next chapter, at Apple :)(Miraの次のチャプターに興奮している、アップルだ)」と述べるとともに、多くのアップル社員証が写る画像を投稿していたという。少なくとも11人の従業員がアップルに迎え入れられたそうだ。

この報道につきアップルは「時折、小規模なテクノロジー企業を買収するが、その目的や計画については通常コメントしない」との声明を出し、実質的に買収したことを認めている。アップルが買収に費やした額は不明だが、Miraはこれまでに約1700万ドルの資金を調達していたという。

また2人の元従業員によると、アップルの元デザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏が、一時期Miraの顧問を務めていたそうだ。

Miraの事業として最も広く知られているのは、日本のUSJや米国のスーパー・ニンテンドー・ワールドで提供されているマリオカートのライドアトラクション用ARヘッドセットだろう。実際にカートに乗って運転しつつ、ARによりゲームキャラやアイテムを現実と重ね合わせて、より体験を楽しくするものだ。

また公式サイトによれば、米空軍や海軍との契約にも関与していたという。ほか製造や採掘の現場でも同社のARヘッドセットが活用されてきたとのことだが、これらの事業がアップル傘下に入った後も続くとは考えにくいだろう。

すでにアップルはARとVRの両面で多くの人材を確保しており、最先端の技術や知識を身につけていることは明らかだ。今になってMiraを買収した理由は不明だが、さらに優秀な人材を確保したり、あるいは知的財産に関連した動きとも推測される。

また、Apple Vision Proの独占コンテンツや専用アプリ開発を強化するため、とも考えられるだろう。昨年6月からジョン・ファブロー氏などハリウッドの大物映画監督らが起用されたと報じられたこともあり(基調講演での恐竜デモはその成果の1つかもしれない)、マリオカート的なARゲームの自社開発もあり得そうだ。

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