「公正で平等な競争の実現」を目指す中間報告

アップル、日本政府の「サードパーティ製アプリストアの許可やApp Store手数料引き下げ」を提言する中間報告に反対を表明

Image: Apple

日本の内閣官房デジタル市場競争会議は26日、スマートフォンOS市場における公正な競争を確保するために新たな規制を設ける可能性を示す中間報告書を発表した。これに対してアップルは、「いくつかの結論に対して謹んで異議を唱えます」とする声明を発表したと報じられている。

今回の中間報告書は、アップル、GoogleがスマートフォンOS市場を支配していることを指摘。その中でも特にプリインストールされたブラウザアプリが、他のアプリ開発者や企業に損害を与える可能性が警告されている。その上で、デバイスの利用方法についてユーザーの意思決定を制限することを禁止する新たなルールを導入し、市場の競争を促進することを提案した内容だ。

また、有料アプリやアプリ内課金について、アップルが開発者から徴収する手数料が15~30%であることや、アップルのApp Store以外では配信できないことも問題視。そのためユーザーがサードパーティーのアプリストアを利用できるようにすること、アップルに対しては自社のシステムに関する徹底した情報公開を行うことが求められている。

松野博一官房長官は、この中間報告は「公正で平等な競争の実現」を目指すものだとの認識を示している。これに対してアップルは上記の反対声明を出し、「すべてのセグメントで激しい競争に直面している」と主張。その上で「日本政府と建設的に関わり続ける」と付け加えている。

アップルやGoogleにアプリストア改善を求める企業の集まり「アプリ公平連合(The Coalition for App Fairness)」のRick VanMeter氏は、「この中間報告により、日本はハイテク大手のゲートキーパー(データやプラットフォームへの出入り口を管理する企業)に反競争的な慣行を警告する規制当局や政策立案者の大合唱に加わることになる」とコメントしている。

ちなみに「アプリ公平連合」はEpic GamesやSpotifyといった、アップルのApp Storeに独占的慣行があるとして訴訟を起こしたり、アプリストア手数料が公平な競争を阻害しているとして欧州委員会に提訴した企業が中心となっており、今回の声明は当然とも思える。

日本政府は今後、国民からの意見を集め、さらに議論を重ねた上で、最終報告書をまとめる構えだ。ヨーロッパでもApp Storeに対する踏み込んだ規制が検討されており、いずれアップルも譲歩を余儀なくされるのかもしれない。

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