ポッドキャストの広告収益も好調

Spotify、ジョー・ローガン騒動やロシア撤退でも有料ユーザー増加

Image: Spotify

音楽ストリーミングサービスのSpotifyが、2022年第1四半期の決算を発表。期間内に発生した著名ポッドキャスターのジョー・ローガンに対する、ニール・ヤングや著名ミュージシャンたちの抗議行動などにもかかわらず、有料会員数をさらに増加させることに成功したと明かした。

Spotifyでは、一節には2億ドルとも言われる多額の契約金で独占契約を結んだ、世界トップクラスの人気ポッドキャスターのジョー・ローガンが、ポッドキャスト番組内で新型コロナやそのワクチンの効果に関して誤った情報をたびたび発信していた。

特に、新型コロナワクチンの製造に使われるmRNA技術を開発したと自称するロバート・マローン博士をゲストとして呼んだときは、マローン博士が「新型コロナのパンデミックは集団催眠的な精神の病」「人口の3分の1は基本的に催眠術をかけられている」など頓珍漢な主張をして物議を醸し、270人以上の医療関係者から抗議の公開書簡を送付された。

またその後2月には、ニール・ヤングやジョニ・ミッチェル、CS&Nといったレジェンド級のミュージシャンらが「ジョー・ローガンのポッドキャストと同じプラットフォームで楽曲を配信すること」を拒否。Spotifyからそれぞれの作品を引き揚げて抗議の意を表すに至っている。しかしそれでも、Spotifyはミュージシャンやファンたちからの反発より、大金を投じたローガンのポッドキャストを実質的に擁護する対応をとり続けた。

Image: The Joe Rogan Experience

ただ、こうしたネガティブな事情があったにもかかわらず、サービスを離れるSpotifyの有料会員は少なかったようだ。Spotifyは、このたび発表した2022年第1四半期の決算において、有料プラン「Spotify Premium」登録者数が前年同期比で15%の増加を記録したことを明らかにした。

発表では、Spotifyの月間利用者数が4億2200万人にのぼり、うち1億8200万人がPremiumの登録者とのこと。好調だった理由は、皮肉なことにローガンの『The Joe Rogan Experience』を含む独占配信ポッドキャストが加入者獲得を牽引したため。問題のジョー・ローガンは、ニール・ヤングらの抗議行動を受けた当時は「自分は誤った情報を拡散しようとしているわけではない」と釈明していた。ところが、今月配信されたエピソードで同氏は、「ここ最近はあの騒動のおかげで逆に登録リスナー数が増えた」と自慢している。

また、Spotifyは3月に短期間ながらサービスがダウンする問題が発生し、ユーザーはサービスから自動的にログアウトさせられた。このとき約300万人のユーザーがアカウントの問題と勘違いし、新しいアカウントを別に作成してログインしようとした可能性があるという。

ウクライナ情勢を受けてロシアから撤退したSpotifyは、その結果として約150万人の無料ユーザーと60万人のPremiumユーザーを失った。それを考慮すれば、加入者の伸びは実質的に予想を上回るものだったと指摘している。なおSpotifyは、ロシアでのユーザー減少分を中南米や欧州におけるユーザー数の増加が補ったとしている。

Spotifyの第1四半期総収入は、前年比24%増でほぼ予想と変わらない成績だった。ポッドキャスト事業における広告収入は全収入の11%、2億8,200万ユーロ(約386億円)に達し、この分野では過去最大の第1四半期だったとのこと。ただ、アナリストが予想した3億410万ユーロ(約468億円)は下回った。

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