オフィスを寝室に転用するなら市の許可を得ましょう
マスク氏の“Twitterホテル”計画、違法の可能性。サンフランシスコ当局が調査中
サンフランシスコ市当局は、元Twitter従業員6人からの告発を受け、イーロン・マスク氏が指示したTwitter本社の建物への変更が建築基準法に違反する可能性について調査を進めている。
デラウェア州の連邦裁判所に提出された訴訟によると、6人の元従業員は、Twitterが約束していた退職金支払いの不履行を訴えている。これは、マスク氏率いる新体制への移行チームが「意図的に、具体的に、繰り返し、契約違反、法律違反、その他法的義務を無視する考えを表明した」ことに対するものだ。一方のTwitter側は訴訟の棄却を求めている。
また、元従業員らはマスク氏と彼の率いる移行チームが、オフィスの一部を寝室として使い、眠る以外の時間をすべて業務に当てる「ハードコアな」仕事を期待すると述べたのち、人感センサーのついた照明の配線を切断するといった、建築基準法に違反する変更を指示したという。オフィスの家主はこの要求を拒否したが、従業員は電気技師を呼び、勝手に人感センサーを無効化する工事を実施せざるを得なかったとのことだ。Twitter本社のある地域では、オフィスを宿泊施設に転用するには市の承認が必要となる。
元従業員らは、万が一の際に救急隊員が出入りできなくなるとの反対を押し切って、寝室に転用したオフィスで使用していた緊急時に自動解錠されるロック機構を、基本的な戸締まり用の錠に付け替えることを移行チームが指示した、とも述べている。
原告側のひとりで元Twitter不動産担当バイスプレジデントを務めていたトレイシー・ホーキンス氏は、マスク氏の買収に関して特に反対していたわけでないものの、マスク氏とその移行チームが、オフィスや建物のリース契約における規約を意図的に違反、つまり必要な賃料の支払いを止めるよう指示したことに対して反対を主張した結果、会社を辞めざるを得なくなったと主張している。
また、同社のグローバルデザイン・建設に関連する主任プロジェクトマネージャーだったジョセフ・キリアン氏も、違法な錠の交換作業を拒否して会社を去ったが、Twitter本社を訪れた市の検査官に、この建物に関する変更計画を漏らさないよう会社から求められたとしている。