太陽系の歴史を見てきた隕石

ニュージャージーの民家に落下した隕石、太陽系と同じ約46億年前に形成されたと判明

Image:The College of New Jersey

先週月曜日、米ニュージャージー州の民家の屋根を突き破り、寝室の床にめり込んだ金属のような物体が発見された。幸いにもこれによる怪我人はでなかった。

発見当時、この大きさ約10×15cm、重さ0.9kgの物体はまだ暖かかったという。現地警察は、この天体が何かは特定していないが、おそらくこれが、そのとき夜空で多く見られたみずがめ座イータ座流星群に関連する飛来物ではないかと疑った。毎年恒例のこの流星群は、地球がハレー彗星の残した破片を横切るときに発生する。破片の大半は大気圏に突入した際に燃え尽きるものの、まれに地上に到達する可能性もある。

そして木曜日、警察からの依頼によってこの物体を調査した、ニュージャージー大学の物理学科長ネイサン・マギー氏によって、これが間違いなく隕石であり、コンドライト(石質隕石)と呼ばれる類いのものであることがわかった。コンドライトは、地球上で発見される隕石の 85% を占める原始的な岩石だが、これまではほとんどが南極で見つかっており、市街地で発見されることはほとんどないという。

マギー氏の研究チームは、この隕石をアメリカ自然史博物館の元隕石専門家、ジェリー・デラニー氏に見せて分析した。その結果、この隕石は約45億6,000万年前に形成されたものであることがわかった。それはつまり、太陽系が始まった当時に存在した、天体の破片であることを意味する。

隕石の最表面層には、地球の大気中で部分的に燃え尽きてできた、厚さ数ミリメートルの黒ずんだ殻がある。マギー氏は、この表面層を構成する鉱物の色が青灰色で、わずかに他の色の金属も混ざっていると述べている。

さらに、研究チームが走査型電子顕微鏡を使って岩石の質感と組成を調べた結果、おそらくこの隕石はクラスLL-6のコンドライトで、他の隕石よりも鉄分が少なく、粘板岩や花崗岩といった地球上で最も一般的な岩石よりも、少なくとも30~40%密度が高いことがわかったという。つまり、地球上で形成されたものではないということだ。

もしも、自分の家に落ちてきた物体が、実は太陽や地球が生まれた頃から宇宙に漂っていたものだったとなれば、ふと夜空を見上げ、悠久のロマンのようなものを感じてしまいそうだ。もっとも、持ち家の屋根や床に穴をあけられては、その修理代もバカにならないのではあるが。

ちなみに日本国内では、持ち家に隕石が落ちて穴が開くなどの損害が発生したときは、火災保険の補償項目のなかの「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突」とみなされ、保険金がおりるそうだ。

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