ただしスーパーバイザーは搭乗
北京市、ドライバーレスのロボタクシー運行をBaiduとPony.aiに許可。郊外で運行開始へ
北京市は、BaiduのApollo Goと、トヨタが支援するPony.aiの2社に、市郊外におけるロボットタクシー事業の一部について、ドライバーレスでの運行を許可した。
北京市では昨年11月から一部地域でBaiduとPony.aiがロボタクシーサービスを開始し、乗客への運賃請求も許可されているが、これには条件として、安全のためのドライバーの搭乗が求められていた。
米国ではすでにGoogle(の親会社Alphabet)のWaymo、GMの子会社Cruiseが無人ロボタクシーの運行を開始しているが、試験走行の内容や乗客への運賃請求については、その地域によって内容が異なっている。
たとえばアリゾナ州では、Waymoがすでに有料で無人ロボタクシーを走らせているが、サンフランシスコではCruiseが乗客への運賃請求の許可が下りるのを待っている状況だ。
北京市当局が出した許可内容では、ロボットタクシーは安全のためのドライバーは必要としないものの、 スーパーバイザーとして開発企業スタッフの同乗が必要とされる。このため、まだ完全無人のロボットカーが街中を走るわけではない。CNBCは今回の措置について、ドライバーの人件費削減のためだと伝えている。また、ドライバーがいないロボットタクシーは運賃の請求ができない。
今回の北京市の許可により、Baiduはドライバーのいないロボットタクシーをまず10台走らせ、後に30台にまで増やす計画だ。一方、Pony.aiの広報担当者は、まず4台のロボタクシーでドライバーレス走行を始め、台数を増やしていくとしている。
TechCrunchによると、Baiduの運行時間は午前10時から午後4時、Pony.aiは午前9時から午後5時となっている。ちなみにサンフランシスコでのCruiseの運行時間は夜間に限られている。
北京市ではBaiduのほうが多くの台数を展開するようだが、Pony.aiは先週、広州の南沙で100台の自動運転車を走らせる許可を得て、中国で無人ロボタクシーとして従来のタクシーと同じ事業免許を得た初めての企業となった。なお、この100台は当初は安全のためにドライバーが搭乗するが、短期間のテストを経た後に完全ドライバーレスに移行する予定だ。
Pony.aiはさらに、カリフォルニア州の3都市でもドライバーレスでの自動運転車の試験走行許可を得て走行を開始していた。ただし、こちらは昨年10月にフリーモントで中央分離帯に乗り上げる単独事故を起こしたため、一時的に許可を取り消されている。
ロボットタクシーの公道での試験走行は中国や米国に限らず世界各国で開始されており、日本でもホンダがCruiseとともに国内での自動運転タクシー計画を、日産が自動運転配車サービスの実証実験を進めているほか、ベンチャー企業による小規模な技術開発や試験走行も多く行われている。
ただ、2018年には米国で、Uberが開発していた自動運転テストカーが歩行者を撥ねて死亡させる事故を起こしている。くれぐれも安全を第一としたうえでの、革新的な技術発展に期待したいところだ。
- Source: Baidu(PR Newswire) Pony.ai(Business Wire)
- via: CNBC TechCrunch The Verge
- Coverage: ABC News