自動車もサブスク強化

GM、元アップルのクラウド担当幹部を役員登用。車載ソフトウェア強化へ

Image:Jonathan Weiss / Shutterstock

米自動車大手ゼネラルモータース(GM)が、新設したソフトウェア部門担当役員として、アップルでクラウドサービス技術担当VPだったマイク・アボット氏を雇い入れると発表した。

アボット氏は、ソフトウェア定義型自動車(SDV)およびそのオペレーティングシステム、情報処理およびデジタル技術、GM全体のデジタルビジネスを統括する役割を担うとのこと。アップル以前はTwitterやPalmでも活躍していた。

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アボット氏は、アップルではiCloudからiMessage、FaceTime、アカウントセキュリティなどといったサービスやクラウドのコアインフラストラクチャー開発チームを率いてきた。5月9日に出された声明でアボット氏は「私はユーザーと企業の体験をかつてないほど変革する触媒になるのがソフトウェアだと理解している」「ソフトウェア分野での経験を活かして、会社に待ち受けている大きなチャンスを活用するだけでなく、世界の変革に貢献できることを楽しみにしている」と述べ、ソフトウェアが会社にとって、とても大きなチャンスであることを強調した。

なおGMに限らず自動車メーカーは、電気自動車へのシフトがじわじわと進む中、ソフトウェアを強化し、サブスクリプションサービスで収益を引き出す戦略を拡大しつつある。GMのメアリー・バーラCEOも「われわれは急速に拡大する新型EVモデルに焦点を当てた、技術主導の変革の次の段階に入った」と述べており、GMは今回の体制強化により、ソフトウェア部門の収益向上を図っていくことになる。

ちなみにGMは3月末、アップルのCarPlayとGoogleのAndroid Autoのサポートを段階的に廃止していくことを明らかにしていた。これは、カーインフォテインメント部分の主導権を自社に取り戻すことを目論んだ動きだと考えられる一方、CarPlayやAndroid Auto対応を望む顧客からそっぽを向かれるリスクもあると指摘されていた。

しかし自動車メーカーにとっては、車の走行に関する各種制御を含め、車載ソフトウェアの開発は不可欠だ。自動車においてソフトウェアの比重が増していく段階で、ユーザー(ドライバー)との窓口になる部分をCarPlayやAndroid Autoに抑えられてしまうことは、メーカー側にとって、あまりメリットがないのかもしれない。

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