高価なヘッドセットと比べて年額7000円のサブスクは安い?

アップルのAR/VRヘッドセットではFinal Cut ProとLogic Proが使える可能性

Image:Mr. Tempter/Shutterstock.com

アップルは6月5日(米現地時間)の世界開発者会議WWDCにて、噂のAR/VRヘッドセットを正式発表することが確実視されている。このヘッドセット上で、アップル製のプロ向けビデオ編集ソフトFinal Cut Pro、および音楽制作ソフトLogic Proを使える可能性が非常に高いと、著名ジャーナリストが主張している。

この発言は、アップルがiPad向けのFinal Cut ProおよびLogic Proを5月24日に正式リリースすると発表したことを受けてのものだ。どちらも買い切りはなく完全サブスクリプション制(1ヶ月間の無料トライアルあり)で、月額700円または年間7000円。一見すると割安にも思えるが、Mac版は何年使ってもアップグレードが無料のため、長期的に見るとiPad版は割高になるとの指摘もある

それでも、外出先でビデオ編集をしたいクリエイターらが長年待ち望んでいたものには違いない。有名リーカーJon Prosser氏が「iPad Pro版は100%実現する」と述べてから、実に3年かかったことになる。

さておき、アップルの社内情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は「アップルのヘッドセットと xrOS(ヘッドセット専用OS)がiPadOSアプリを動かせることを考えると、デバイスが(最終的に)Final Cut ProとLogic Proも実行できる可能性は非常に現実的だ」と述べている。

以前Gurman氏は、アップル製ヘッドセットでiPadアプリを使えるかもしれないと報じたことがある。

同社は努力の大半をAR/VRヘッドセット向けにiPadアプリを「適合」させることに注いでおり、純正のほかサードパーティ製の既存アプリも新たな3Dインターフェースで利用できるようになる見通しだという。そのまま動くわけではないにせよ、わずかな調整でヘッドセット内部の画面でも違和感なく動かせると示唆しているようだ。

それはFinal Cut ProとLogic ProのiPad版も例外ではない、ということだろう。Gurman氏が「非常に現実的」と語調を強めていることからも、すでにアップル社内でヘッドセット向けの調整を行っている可能性は高そうだ。

アップル初のAR/VRヘッドセットは、4Kのマイクロ有機ELディスプレイ×2枚や、ユーザーのジェスチャーや表情まで捉える数十台のカメラなどリッチな仕様となるため、価格は3000~4000ドルになると予想されている。一般ユーザーが趣味で使うには高価すぎるが、たとえばPro Display XDRに70万円以上を支払うようなプロユーザーにとっては、Final Cut ProとLogic Proの使用が快適で生産性が上がるのであれば、安い買い物となるのかもしれない。

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