削除用のURLがPlayストアに表示される予定

Google、アプリユーザーの「データ削除」簡易化を開発者に義務付け

Image:Creative Caliph/Shutterstock.com

Googleはアプリ開発者に、近日中にユーザーがアプリ内およびウェブからアカウントとデータの削除を簡単にできる方法を提供することを義務づけると発表した。また開発者は、ユーザーがアカウントの完全削除を要求した場合、開発者はそのアカウントのデータも消去しなければならなくなる見通しだ。

これまでPlayストアでは開発者に、データセーフティセクションで「データを削除するようリクエストできます」と宣言させるだけだった。だが、今後はアプリ内でアカウント作成が可能なものは、ユーザーが自分のアカウントの削除をリクエストできるようにすることが求められる。

それはアプリ内だけでなく、アプリ外(ウェブサイト上など)でも「ユーザーが簡単に見つけられる」形でなければならない。このうち後者は、「ユーザーがアプリを再インストールすることなく、アカウントとデータの削除を要求できること」を意味している。また開発者はアプリ外での削除リンクをGoogleに提供する必要があり、Playストアの当該アプリページにはそのURLが表示されることになるという。

ユーザーが完全にアカウントを削除したくない場合は、特定のデータ(アクティビティ履歴や画像、動画など)だけを削除することも選べる。削除対象を「ゼロか全てか」ではなく、かなり柔軟な対応が可能になるわけだ。

このポリシー変更は開発者の負担に配慮し、段階的に施行される予定だ。まず開発者は12月7日までにアプリのデータセーフティフォームでデータ削除に関する質問に対して回答が求められる。実際にPlayストアの各アプリページに反映されるのは2024年初めからであり、開発者は同年5月31日まで延長を申請できる。

アップルのApp Storeでも、こうしたルール変更はすでに数ヶ月前に行われている。ユーザーにとっては、アプリ削除後も再インストールなしにデータの削除をしやすくなり、便利になることは言うまでもない。

その一方で、アプリ開発者にとっても恩恵はある。ユーザーがアプリの使用を止めた後も、アカウントや機密情報が残り続けたために、データ漏えいに晒されるリスクが減らせるからだ。特にEUで一般データ保護規則(GDPR)が厳しく施行されているなか、重要な意義を持つだろう。

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