コア構想と言えばPCエンジン

次期Windows、「CorePC」構想により堅牢なセキュリティとAI組み込み実現か

Image:Volodymyr Kyrylyuk/Shutterstock.com

マイクロソフトが次期「Windows 12」を準備中であるとの噂話は、今月初めにも囁かれていたことだ。それと深い関連があると思しき情報として、同社がより優れたセキュリティと素早いアップデートを実現する新たな「モダン」版Windowsを開発中との観測が伝えられている。

マイクロソフトの内情に詳しいWindows Centralによると、この構想は「CorePC」と呼ばれ、開発中止されたWindows Core OS構想と同じくモジュール式(機能の単位を組み合わせること)を目指しているという。すなわち、あるバージョンは過去のWin32アプリにフル対応しつつも、様々なレベルの機能とアプリの互換性を持つ複数の「エディション」を用意できる、というわけだ。

CorePCと現在のWindowsとの大きな違いは、「状態分離(state separated)」を採用することだ。つまりiOSやAndroidと同じく、OSを複数のパーティションに分割することで、より高速なOSアップデートができる可能性がある。またコア部分をユーザーやサードパーティ製アプリがアクセスできない読み出し専用パーティションに置くことにより、よりセキュリティが高まるというわけだ。

さらにCorePCによる様々なエディションは、多様なハードウェア向けへの提供や、それぞれ特定の機能やアプリのサポートを可能にするという。たとえば教育市場向けエディションは、ChromeOSのようにフットプリント(占有・消費するリソース量)が軽く、EdgeブラウザやWebアプリ、OfficeやAndroidアプリのみ実行できる。その逆に、最新Windows 11のフル機能が使える本格的なバージョンも提供できるとのことだ。

また、Appleシリコン(アップル独自開発チップ)Macに対抗できるCorePCバージョンも開発中だという。たとえば特定チップを搭載したSurfaceデバイスに最適化することで、OSのパフォーマンスと機能を強化できるのかもしれない。

そしてCorePCには、AIも組み込む構想もあるようだ。それは画面上のコンテンツをAIで分析し、状況に応じたプロジェクトやアプリを起動するプロンプトを提供することも含まれているという。ちょうど、OfficeアプリにAI機能を組み込む「Microsoft 365 Copilot」をシステム全体に拡張するイメージのようだ。

こうしたCorePC構想は、「2024年のWindowsクライアントの次期メジャーバージョン」に間に合わせたい意向だという。おそらくWindows 12のことを指していると思われるが、かつてWindows Core OSが軽量版OS「Windows 10X」とともに開発中止されたように、方針が変更される可能性もあるだろう。

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