ボタンの機能をカスタマイズできるかも

「iPhone 15 Pro」の感圧式ボタン、電源オフやバッテリー切れでも動作か

Image:FellowNeko/Shutterstock.com

今年秋に発売と見られる「iPhone 15」シリーズのうちProモデルには、物理ボタンに代えて感圧式のソリッドステートボタンが採用されることが有力視されている。

これに伴い懸念されるのが、残りバッテリーがわずかなときにもボタンが動作するのか、ということだ。感圧式には擬似的に押し下げ感覚を演出する「Taptice Engine」が使われるが、そのモーターは電源オン時以外でも動くのだろうか。

この件について、本体が電源オフあるいはバッテリー切れでも、ソリッドステートボタンなどの機能が維持できると主張する人物が現れた。「iPhone 15 Pro」および「iPhone 15 Pro Max」には新たな超低電力マイクロプロセッサが採用され、これによって実現するとのことだ。

今回の情報源は、米Macrumorsフォーラムにいる匿名ユーザーである。iPhone 14 Proが正式発表される前に、ダイナミックアイランド(画面上の楕円状スペース)に関して正確に詳しく伝えたメンバーと同一人物だという。

新たなマイクロプロセッサーは、現在のiPhoneにある低電力モードに代わるもの、とのこと。ちなみに低電力モードとは、iPhoneの電源をオフにした後やバッテリーが消耗した場合でも最大24時間「探す」アプリで位置を特定したり、バッテリー切れから最大5時間はApple Payのエクスプレスモード(モバイルSuicaなど交通系ICカードで多用)が使える機能である。

新しいチップは、現行モデルのBluetooth LE/UWB(超広帯域)機能を引き継ぎ、さらに電源オフまたはバッテリー消耗時にソリッドステートボタンへの電力供給を行うという。

実際のフォーラムへの投稿では「静電容量式(ソリッドステート)ボタンの押下げや長押しをすぐに感知し、スマートフォンが壊れているか電源が切れている状態でも、新型ボリュームボタンやアクションボタン(現在のサイレントスイッチに代わるもの)、電源ボタンで独自バージョンの3D Touchを検出する」と説明されている。

またアップル社内では、電源オフの状態でTaptic Engineフィードバック(振動)が機能するかどうかテストされているが、バッテリー切れでは未だ行われていないという。「この仕様で製品化されるかどうかは非常に不確か」とも付け加えられているが、発売まで約半年という現時点でハードウェアの仕様が固まっていないとは考えにくく、後日ソフトウェア・アップデートで動作が修正されるのかもしれない。

ほか、アップルの「中の人」が噂の統一ボリュームボタン、すなわち音量のアップ/ダウンが1つにまとめられたボタンの機能違いバージョンを2つ見たとも伝えられている。

1つはボタンを強く押せば音量が素早く上下するので、もう1つは指でボタンを上下にスワイプすることでボリューム調整できるものだったという。最終的にどの方式が採用されるのかは分からないが、これらの機能はソフトウェアで実現されるため、ユーザーがカスタマイズできる可能性もあるだろう。

どうにも「ボタン以外」が見えてこない感があるが、この匿名ユーザーはアップル社内の情報源が「開発チーム」にいるため、物理的な機能を補完するソフトウェア開発が必要ない限り、新モデルのデザインに関する追加情報を持っていないと主張している。

iPhoneほどの精緻かつ高密度なハイテク製品であれば、それぞれの機能ごとに担当チームも細分化され、末端から全体像が見えにくいのはありえそうな話だ。サムスンのフラグシップ機でも感圧式ボタン採用して物理ボタン全廃の噂はあったが、いまだに実現していない。一見して地味な変更にも思えるが、アップルにとっても容易くないチャレンジなのだろう。

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