M1版はほとんどファンが回らないと評判だった

M2 13インチMacBook Pro、108度まで上がり重度のスロットリングが起きたとの報告

Image:Apple

アップル独自開発のAppleシリコンは省電力性にもすぐれ、重い処理をしても「熱くならない」と好評だった。たとえばM1チップ搭載のMacBook Airはファンレス設計だが問題はなく、M1版の13インチMacBook Proは冷却ファンを内蔵しているがほとんど回らない、という具合である。

しかし、新型のM2チップ版13インチMacBook Proを限界まで使ったところ、温度が108度(摂氏)まで上がり、プロセッサーの激しい(サーマル)スロットリングが起こったと報告されている。

スロットリングとは、CPUの温度が上昇しすぎたときにクロック周波数を落とし、システムに致命的な損傷が起きることを防ぐしくみだ。iPhoneにも、この機能は「ピークパフォーマンス管理」という名前で備わっている。

さて、YouTubeチャンネルMaxTechを運営するVadim Yuryev氏は、Twitterで「M2 MacBook Proで深刻なサーマルスロットリングを発見し、1つよりも2つのファンを持つ、より良い冷却システムが必要だと証明された」と述べている。

Yuryev氏は8K RAW動画を書き出した結果、温度が108度に達したという。こうした現象は従来のMacでは見たことがなく、インテル製チップ搭載Macでさえなかったという。

さらにM2 13インチMacBook Proはテスト期間中、ファンの回転数が最大7200RPMに達し「M2チップを大幅にスロットダウンさせる以外に冷却できなかった」そうだ。M2チップ性能は、CPU/GPUともにM1を凌いでいるはずだが、スロットリングが起きたら、性能が落ちることになる。

Yuryev氏によると、M2のクロック数は高性能コアが3200MHzから1894MHz、高効率コアが2228MHzから1444MHzへ、GPUは1393MHzから289MHzに下がったとのことだ。これらは波状的に起きて、ほぼ瞬時に84℃まで下がり、その後クロック数を上げ、再び下げることを繰り返すという。

14インチMacBook Pro(M1 Pro搭載)は、より高性能な冷却システムを搭載しているため、こうした問題は起こらなかったそうだ。今回の件についてYuryev氏は、「実環境でのビデオ編集テストの中で最も要求の厳しいもの」であることは認めながら、M2 MacBook Proはスロットリングを避けるために、冷却機構を改善すべきだと結論づけている。

M2 MacBook Proには「アクティブクーリングファン」が搭載されている(Image:Apple)

8K RAW映像の書き出しは、どんなプロセッサーにとっても過酷なタスクだ。13インチMacBook Proの想定ユーザーが、このような使い方をする可能性は低いと思われる。

しかし、少なくともM2 MacBook Proが「冷却が間に合わず108度まで加熱し、スロットリングが起こった」ことは事実だろう。また、同じくM2チップを搭載した新型MacBook Airには内蔵ファンがないため、より大変な事態ともなりかねない。M1モデルの「ファンレスでも熱くならない」長所が損なわれないことを祈りたい。

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