不審なUSBメモリは警戒すべし

PCに挿すと爆発するUSBメモリ、ジャーナリスト5人に郵送。1人が軽いケガ

Image:Sombat Muycheen/Shutterstock.com

不審な人物から送られてきたUSBメモリをコンピュータに挿すべきでないのは、誰もが知っていることだろう。最悪の場合、PCがマルウェアに汚染され、デスクトップ画面に見たくない広告が咲き乱れる事態ともなる。

それよりさらに悪質な手口として、コンピュータに差し込むと爆発する「USBメモリ爆弾」が少なくとも5人のジャーナリストに送りつけられたと報じられている。その一部には、脅迫状も添えられていたそうだ。

AFP通信によると、エクアドルのジャーナリスト5人に郵便でUSBメモリが送られたとのこと。ただし、負傷したのは1人だけだという。グアヤキル市のテレビ局のニュースレポーターがPCに挿入して爆発させてしまい、手と顔に軽い怪我を負ったが、他に被害はなかったと伝えられている。

難を逃れた4人も、事情はそれぞれのようだ。初めからPCに挿さなかった、挿し方が間違っていた、またはケーブル付きのアダプタで接続したところ電力が足りなかったと推測される、という具合である。このUSBメモリには、C-4などのプラスチック爆薬に使われる化学物質RDXが仕込まれていたとのことだ。

エクアドル政府は、これら5件とも同じタイプのUSBメモリだったと確認。さらに「ジャーナリストや報道機関に対するいかなる暴力も断固として拒否する」との声明を発表している。またエクアドルのメディア監視団体Fundamediosも、今回の犯行を非難し、政府に爆弾の出所を調査するよう要求しているという。

USBメモリは小さくて目立たず警戒されにくいためか、たびたびテロや破壊工作に用いられてきた。たとえばイランの核施設への侵入、米国の発電所2ヶ所がマルウェアにより感染、中東の米軍基地にあるノートPCから本国のネットワークに感染が広まったなど、枚挙にいとまがない。

ともあれ、「出所の分からない、誰が送ってきたか不明な怪しいUSBメモリはPCに挿さない」という古からの教訓は、必ず守った方がよさそうである。

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