iPhone 15用USB-CはMFi非認証だと制限付きとの噂も

アップル、Apple Watch向けNFC内蔵バンドの特許取得。非認証バンドを取り締まる?

Image:1jewelry/Shutterstock.com

アップルはApple Watchのバンドについて、様々な特許を申請ないし取得している。たとえばユーザーが着ている服に合わせて色が変わる、本体をバンドから外して内蔵カメラで撮影できるといった具合だ。

そして新たに、同社はApple WatchのバンドにNFCモジュールを内蔵する特許を出願。米特許商標庁(USPTO)により付与された。この技術は、ユーザーに利便性をもたらす用途にも、そうでない用途にも活用される可能性を秘めている。

米Patently Appleが発見した本特許は、Apple Watch本体側のNFCチップと、バンド内蔵のNFCチップが通信できるというものだ。それによってApple Watchはどんなバンドかを識別し、情報に応じて対応を変えることができる。

たとえばバンドの種類ごとに、ユーザーインターフェースを動的に変更できる。文字盤を完全に変えたり、バンドの色に合わせてデザインを微調整する、などということが考えられる。また、特定のバンドを装着すると、ワークアウトアプリを切り替えることも可能だ。マラソンなり筋トレなり、ワークアウトの専用バンドが用意されるイメージだろう。

ここまではユーザーにとって有り難い機能だが、特許ではそれと真逆の可能性についても言及されている。アップルがサードパーティ製のバンドを取り締まる可能性があるのだ。

特許文書では「デバイスに接続されたバンドが許可されたバンドではないと判断された場合、デバイスの出力コンポーネントにより警告を発し、デバイスの1つまたは複数の機能を無効にするか、または他の方法で変更できる」と述べられている。

iPhoneでも非純正の充電アダプタを使っているとき「このアクセサリは使用できない可能性があります」と表示され、充電できないことがある。Apple Watchのバンドでもそれと近いことが起きるとすれば、電源のように故障に直結しやすいわけでもないため、ユーザーの不満が高まりそうではある。

また別の例では、特定のバンドがApple Watch上の特定アプリまたはサービスに関連付けられることがあるとされる。こちらは、上記のワークアウト専用バンドの拡張版といったところだろう。

アップルのようなIT大手は、模倣品を取り締まる必要もあるためか、必要以上に幅広く特許を申請・取得しがちである。今回の特許も、実際に採用されるとは限らない。

が、おりしも「iPhone 15」のUSB-Cポートが、MFi(Made for iPhone)認証品以外のアクセサリーでは充電もデータ転送速度も制限される可能性が浮上した直後のことだ。Lightning+MFi認証は、長年にわたってアップルに、サードパーティ企業から莫大なライセンス料をもたらしてきた。その構図がApple Watchのバンドに持ち込まれないよう祈りたいところだ。

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