Siriがより面白いジョークを言うように?

アップル、Siriを自然言語生成技術により改善か。まずApple TVでテスト中

Image:Piotr Swat/Shutterstock.com

アップルが、ChatGPTのようなAIを開発中と報じられた直後だが、同社がtvOS上でSiri用の新たな自然言語生成機能をテストしていることが明らかとなった。

米9to5Macが最新のtvOS 16.4ベータを解析したところ、コード名「Bobcat」に取り組んでいることが分かったとのこと。この技術は、「Siri自然言語生成」のための新たなフレームワークであるという。

自然言語生成とは、人間の言語を処理・分析する「自然言語処理」の一種であり、入力に基づき文章を要約したり、新たに意味の通る文章を作成する技術のこと。最近注目を集めているOpenAIのChatGPTなど、AIチャットボットも同じカテゴリーにあたる。

現状アップルでは、Apple TV上のSiriにジョークを言わせるためのみ、自然言語生成を使っているという。今回のテストでは、言語生成をタイマーにも使えるように実験しているそうだ。

tvOSはHomePodにも搭載されているが、この機能は今のところApple TVでのみ有効になっているとのこと。しかし、同様のコードはiPhoneやiPad、Mac、HomePodの最新ベータ版OSにも含まれており、将来的にアップル製品全般にわたり、Siriを改善することが視野に入れられているようだ。

現在のSiriは自然言語生成技術ではなく、テンプレートに基づくシステムとなっている。それが、数カ国語にもわたる膨大なデータベースとなっているため、単語1つを追加することも容易ではなく、新たな検索ツール等を組み込むには1年近く掛かることもある。おかげでアップデートもままらなず停滞している…との内情を、米New YorkTimesが伝えていた。

しかし、アップルはChatGPTのようなチャットボットを目指しているわけではないらしい。9to5Macは、同社の狙いはあくまで「既存のSiriアシスタントを大幅に改善する」ことだという。アップルの社内事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者も、同じ見解のようだ。

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