出戻り

Facebookアプリに再びMessengerを統合へ

Image:Koshiro K/Shutterstock.com

Metaは、Facebookの1日あたりアクティブユーザーが20億人を突破したことを報告するブログ記事で、TikTokなどの台頭に対し、この老舗SNSが「死んでいるわけでも死にかけているわけでもない」とわざわざ自分で主張するとともに、2023年の展望を語っている。

そのなかでも注目を集めそうなのは「Facebookアプリ内でMessengerの受信トレイにアクセスする機能をテストしている」と述べている部分だ。Facebookは、かつてモバイルアプリのいち機能としてのMessengerと、単独のMessegerアプリの両方をユーザーに提供していた。しかし2014年に「Messengerを最高のモバイルメッセージング体験とすべく開発を集中し、「Facebookのモバイルメッセージング体験に複数の提供方法を持つことで生じる混乱を避ける」ためとしてアプリからMessenger機能を取り除いた。

今回のブログ記事では、そのMessengerを再びFacebookモバイルアプリに統合する理由として「人々がFacebookで発見したことを、他のアプリに切り替えることなく、自分のニーズに合った時間、場所、方法で、メッセージングを通じて簡単に共有可能にするため」と述べている。

ユーザーからすれば、この動きはスマートフォンにインストールするアプリをひとつ減らせることにもなり、InstagramユーザーともFacebookアプリ内からメッセージのやりとりが可能になるかもしれない。

近年のSNS界隈で勢力を拡大し続けているTikTokとの競争力を高めるという点でも、Messenger機能の統合は、散らばったユーザーの集約にもなり、有効な手立てになる可能性がある。Facebookアプリが友人や家族と連絡を取り合うためのアプリから、よりエンターテイメントや発見のあるプラットフォームに変わることで、離れつつあるといわれる若年層をふたたびFacebookに引き戻せるかもしれない。

ちなみに、TikTokではユーザーが発見した動画コンテンツを、アプリ内のダイレクトメッセージを通じて友だちに共有できる。MetaがMessengerをFacebookアプリに統合しようと考えたのは、もしかしたらTikTokを真似ようというのが最も大きな動機だったりするのかもしれない。結果的に、それが昔やったことに逆行する格好になってしまっているだけとも考えられる。

FacebookとInstagramは、TikTokの勢いに負けじと、リールなどの機能をそのショート動画サービスから取り入れている。MetaのFacebook責任者トム・アリソン氏は、最近のユーザー増加に関して、人々がネットワークでつながるのを手助けするルートがあるおかげで、FacebookはTikTokに対するアドバンテージを持っていると主張している。

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