最近Twitterのシステム障害も相次ぐことに

Twitterの12月収益、前年比4割減との報道

Image:Tada Images/Shutterstock.com

Twitterは実業家のイーロン・マスク氏に買収されて以来、大手広告クライアントが次々と去って行ったとの報道もあった。その後マスク氏は大量の解雇を含む「狂ったようなコスト削減」などの対策を打ち出していたが、新たに2022年12月の収益と調整後利益は前年比で約40%減少したと報じられている。

10月下旬にマスク氏が買収して株式が非公開とされて以来、Twitterが収益を発表することはなくなった。だが、先週末のThe Wall Street Journal報道によると、同社は投資家向けに収益の落ち込みを報告したという。

すでに大企業の多くは、マスクCEOの元でのコンテンツモデレーション(投稿規制)に対する懸念から、広告出稿を減らしている。広告最大手のひとつであるオムニコムさえも「ブランドの安全性に高いリスク」があるとして広告の一時停止を勧告したとの報道もあり、せき止めがたい流れとなっていたようだ。

こうした逆風のなか、Twitterは一部ブランドに対して大幅な割引(どんな理由でも解約できる条項も付けて)を提示したとの噂もあったが、深刻な減収・減益を防ぐには至らなかったようだ。

昨年12月半ばには、買収以前の広告クライアント上位100社のうち約70%が広告を出していなかったといわれる。一方、今年2月のスーパーボウル期間中(広告費が高騰する傾向にある)に提示された好条件に惹かれて一部の広告主は戻ってきているとのことで、今後数ヶ月の収益は上向きになる可能性がある。

マスク氏がTwitterが買収資金として銀行から調達した約130億ドルは、そのままTwitterの負債となり、利払いだけで年間10億ドルに上るとの試算もある。1月末には初回の利払いが3億ドルとの報道もあり、WSJは負債の中には年利15%近いものもあると伝えている。

マスク氏にはTwitterをPayPalのような決済プラットフォームと化す計画があると見られているが、今のところ収入源は広告費とサブスクリプションのみだ。そして刷新された有料プラン「Twitter Blue」も米国ユーザーの0.2%未満に過ぎないとの噂もあり、マスク氏の目標とする「収益の半分をサブスクにする」とはほど遠い。

また、マスク氏がコスト削減のために従業員を減らしすぎたため、Twitterの円滑な運営にも懸念が生じている。数日前もフォローしているタイムラインが更新されない、「Twitterへようこそ」という初期画面が表示される障害が起き、昨夜も「小さなAPI変更」によりリンクや画像に障害が起こっていた。

Twitterへの広告の出稿も、有料プランへの加入者増も、すべてはシステムの安定性ありきのことだ。マスク氏がコストカットに熱中するあまり、優先順位を間違えないよう望みたいところだ。

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