より具体的で曖昧に
Twitterが「他人への危害を望む発言」など禁止。暴力的な発言に関するポリシー変更
Twitterは、ユーザーがサービス上で発言する内容に関し、再びルールを厳しくしている。Twitterのヘルプページにおける「Violent Speech Policy」のページが更新され、新しいポリシーでは、誰かへの「危害を望んだり、希望したり、願望を表明」することを禁止している。
禁止される発言には、たとえば「他者の死や病気、悲劇的な事件、その他の物理的に有害な結果を望むことが含まれる」と説明されている。ただし、禁止はここに例示した事柄に限定されないとのこと。
この新たな禁止事項は「誰かが身体的危害を受けることを願ったり、希望したりする発言」がTwitterのポリシーに反するものではないとしていた以前のルールを覆すものだ。以前は、「誰かが身体的な危害を受けることを願ったり、望んだりする発言、曖昧で間接的な脅迫、重大または持続的な傷害を引き起こす可能性が低い脅迫行為は、このポリシーの下では対処できない」となっていた。
しかしTwitterは、新たな文言と実質的に同じ方針となる内容を、虐待行為に関する規則の項目で定義していた。今回は、それが暴力的な発言に関する項目に移動してきたとも捉えることができそうだ。ただし、以前のポリシーが「個人または集団に対する」暴力などを対象にしていたのに対して、新しいポリシーでは「他者」とされ、対象をより曖昧に表現している。これは個人やグループに該当しない社会的にマイノリティな人々を指す可能性もあるのかもしれないものの、具体的な例がないため、判断は難しそうだ。
また新しいポリシーでは「民家や避難所、インフラ」を対象とした脅迫を禁止する一方、ビデオゲームやスポーツイベントに関する言論であったり、「風刺、行動可能な暴力や害を煽るのでなく、アートなどの表現における視点を表現する文脈」での発言に関しては除外されるとのこと。
なお違反者に対しては、突然アカウントを永久停止にしたり、ロック(問題あるコンテンツを削除するまで適用)したりなどの厳しい罰にはならない、ともTwitterは述べている。たとえば、悪質な連続殺人犯に関する会話の流れの中で、犯人を死刑にするよう呼びかけるといったことは、定義としてはポリシーに違反する格好だが、いきなり永久追放されることはなさそうだ。
ポリシーをあえて曖昧にすることは、後でいくらでも都合に合わせて解釈を変えられるようにしているとも考えらる。今回の変更がなぜ行われたのかについて、Twitterは理由を説明していない。