最初から穴だらけ、空気が抜ける心配なし

ウイルソン、3Dプリントで作った網状バスケットボールをNBAイベントで初使用

Image:Wilson

スポーツブランドのウイルソンが、NBAのダンクシュートコンテストで、3Dプリントで作られたエアレスバスケットボールのプロトタイプを披露。選手が実際にそれを使ってシュートを決めてみせた。

このボール「Wilson Airless」は、網目のような穴だらけの球体ながら、独自の構造と特殊なポリマー素材の使用によって、通常のバスケットボールと同様の重量、サイズ、弾み具合を再現している。ウイルソンはすでに公式バスケットボールにほぼ匹敵するプレイアビリティを示していると主張する。とはいえ「世界中のコートで使えるようになる前に、まだやるべきことが残っている 」とも述べている。

しかし、その使い勝手が公式球と変わらないことを示す良いチャンスとして、ウイルソンはこのボールを選手や一般観衆の前に披露した。2月19日に行われた、ダンクシュートの技能や美しさ、独創性などを競うNBAオールスター・スラムダンク・コンテストでは、ヒューストン・ロケッツのKJ・マーティンがWilson Airlessを使い、華麗にシュートを決めて見せた。

ただ、ダンクシュート・コンテストであるためドリブルなどをすることはなく、われわれ素人がその弾み具合などを想像することは難しい。とはいえリングをすり抜けて落下したボールがただ1度だけ、コートでバウンドする様子は、普通のバスケットボールと何ら変わりないように見える。

ウイルソンは、Airlessプロトタイプはレザー製のボールを規定の圧で膨らませたときの重さとバウンドの強さなどと、可能な限り一致するよう設計したと述べている。

とはいえ、ボール表面に穴があるため、空中に投げられたときの空気抵抗などで公式球とは異なる反応を見せる可能性は考えられる。たとえば屋外でプレイする場合、風の作用などが影響しやすい、またはしにくいといった影響があるかもしれない。また、研究グレードだというポリマー素材の耐久性も気になるところだ。

現在のところ、ウイルソンとNBAの両者とも、このプロトタイプのボールを、将来的に製品化したり、公式球のひとつとして使うことまでは考えていないという。あくまでコンセプトを開発・検証するものであり、少なくともNBAの試合でこのボールが実戦投入されることはなさそうだ。

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