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「声が命」なら喉から手が出るほど欲しい? 声帯の使いすぎを警告するデバイス
歌手や俳優(声優)、ナレーター、教師など、声が仕事において重要な職業の人々にとって、声帯を痛めてしまわないよう喉のケアをするのは重要なことだ。誤って喉を潰してしまう事態を避けるため、ノースウェスタン大学の材料化学、生物医学エンジニアリング、オペラ歌手、言語聴覚士といった多彩なメンバーで構成された研究チームは、実験的なウェアラブルを開発、研究している。
このデバイスは、肋骨の合わせ目にあたる胸骨部分に貼り付けるパッチタイプのセンサーと、手首に装着する触覚フィードバックユニットで構成されている。Bluetoothでスマートフォンアプリと接続して利用する方式だ。
まず胸骨のセンサーは、ユーザーの声帯の振動を常に監視しており、その測定値をアプリに送信する。データは機械学習アルゴリズムによって処理され、声の周波数、声量、振幅、持続時間をタイムスタンプとともに記録する。またこのアルゴリズムは、歌を歌っているときと通常の話し声を95%以上の精度で認識するとのこと。
そして、ユーザーの発声があらかじめ設定したしきい値に近づき、アルゴリズムが危険なレベルに差しかかっていると判断すると、手首の触覚フィードバックユニットが振動し、ユーザーに警告を与える。そこからユーザーは15~20分程度喉を休ませることで、喉の状態を維持することができるという。
スマートフォンアプリは、画面にユーザーの声帯の活動に関する詳細情報を表示すると共に、警告の際は適切な休息方法を提案する。またセンサーは振動に関するデータは取得するものの、音声としてではないため、アプリに音声そのものは記録されない。
ノースウェスタン大学講師で声の専門家であるTheresa Brancaccio氏は「ベテラン歌手であれば、経験から喉の使い方を学んできているが、人によっては自分がどれほど無理をしているかわからないまま喉を酷使してしまっていることがよくある」とし、「われわれは喉の故障を防止するために、もっと意識付けができるようにして行きたいと考えている」と話している。
- Source: Northwestern University PNAS