「Welcome to the new Bing」
BingのAIチャット機能、まもなくスマホでも利用可能に?
マイクロソフトがBing検索およびEdgeブラウザーへの統合を発表したAIチャットボットが、まもなくスマートフォンなどモバイル版でも利用可能になるかもしれない。
マイクロソフトは、2月7日にBingへのAIチャットボット統合を発表した時点で、モバイルへの展開も明言していたので、この動き自体には驚きもない。ただ、われわれが思っていたよりも、もしかすると早く提供が開始されるかもしれない。
掲示板サイトRedditへの複数のユーザーの投稿によると、モバイル版のBingアプリやEdgeブラウザーの画面に「Welcome to the new Bing」と記されたメッセージが現れはじめたという。
ただしマイクロソフトは、まだ正式にモバイルアプリでのBingチャットの提供をアナウンスしていない。Reddit投稿者Defalt-1001は、Bingのウェブ検索画面にこのメッセージが現れたのを確認したが機能しなかったと述べており、他の報告でも同様であるため、やはりまだ正式に提供可能な段階にはないと考えられる。
BingのAIチャットボットは、爆発的に人気を得たOpenAI「ChatGPT」の技術をマイクロソフトが独自に強化したものだが、他の企業によるAI言語生成モデルと同様、質問に対する回答に、さも本当のことであるかのように嘘が混じっていたり、嫌がらせじみた言葉を吐くようになったり、感情的になったりすることが報告されている。
こうした問題に対して、マイクロソフトはユーザーとAIとの対話を5ターンまでとし、Bing Chatが異常な発言をしないよう対策を施した。チャットのやりとりを長くすると、会話の流れが AI によって保持されるが、それとは無関係なアイデアがコンテキストに結びつけられ、次第にAIが混乱する可能性が指摘されており、やりとりの回数を制限することでこれを回避しようというわけだ。
ウェブ検索とAIチャットボットの統合としてはGoogleも、あくまで「実験的な会話型AIサービス」として、独自のAI言語モデルLaMDAをベースとした「Bard」を発表しており、一覧形式のウェブ検索から対話型のウェブ検索への移行における覇権争いが静かに始まった印象だ。ただこのBardも、発表を急ぎすぎたのか、その機能を紹介する動画の中でAIの回答が誤りを含んでいるのが指摘され、株式市場からは冷ややかな反応が返された。
いずれにせよ今後しばらくは、こうしたAI言語モデルの性能・精度向上と、応用の幅が拡大していくことになりそうだ。