金融システムの中核部分を内製化しているため?

噂の“iPhoneサブスク”、進行中だが「技術的に難航」の可能性

Image:Primakov/Shutterstock.com

アップルがiPhoneのハードウェアそのものを対象とするサブスクリプションを準備中と報じられてから、すでに9ヶ月以上が過ぎた。まだ立ち消えにはならず進行中ではあるものの、エンジニアリングの遅れに悩まされているとの続報が伝えられている。

米BloombergのMark Gurman記者は、自らのニュースレター「Power On」最新号で、アップルが現在4つのフィンテック・プロジェクトを進めていると述べている。フィンテックとは金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語であり、最新テックを活用した金融サービスの意味だ。

そのうち2つ、「Apple Card Savings Account」(米国で提供中のクレカApple Card向けの高利回り普通預金口座)と「Apple Payで後払い」は発表済みだ。残り2つは未発表で、「Apple Payの月賦払い」と「iPhoneハードウェア向けサブスクプログラム」だという。

もともとiPhoneのサブスク提供サービスは、2021年のiPhone 13または2022年のiPhone 14発売と同時に始める予定だったとのこと。しかし、他のフィンテック計画と同じく「エンジニアリングと技術的な後退」により進捗が遅れ、期限に間に合わなかったという。それでもアップル社内で進行中であり、中止されたわけではないそうだ。

このiPhoneサブスクにつき、以前Gurman氏はレンタルに近いと説明していた。現在アップルが米国で提供している「iPhoneアップグレードプログラム」は、24回分割払いが終わればiPhoneはユーザーの物となるが、サブスクの場合は所有権が移らないとのことだった。

また2022年4月当時、具体的な月額料金はiPhone 13で35ドル、iPhone 13 Proで45ドル、iPhone 13 Pro Maxなら50ドルと見積もられていた。この額を約2年間支払い続ければ本来の端末価格と同じ程度なるので(途中で)次のiPhoneに乗り換える動機にもなるというわけだ。

なぜ単なるiPhoneレンタルの月額払が、「エンジニアリングと技術的な交代」に突き当たっているのか不思議にも思える。だが、これらフィンテック・サービスはアップルが開発した基礎的なプラットフォームにもとづき、同社の「金融への取り組みの中で最も野心的な部分の1つ」だとされている。

この「Project Breakout」と呼ばれるプラットフォームは、フィンテック計画の多くを完全に社内に移行するために使われ、「(支払いの)チェック、承認、取引履歴」にまで及ぶとのこと。これら全ては現在、アップルの金融パートナーにより管理されている。

つまり、アップルは金融サービス管理システムの内製化に取り組んでおり、ゴールドマン・サックスなどの大手金融機関への依存を断ち切ろうとしているが、予想以上に困難を極めている。新たな4つのフィンテック・サービスも、そこに基盤を置くために道連れで遅れている……といった状況のようだ。

このなかで「Apple Payで後払い」は、3月か4月までに開始される予定とのことだ。利息や手数料なしで6週間にわたり4回払いに分割できるというものだが、発表当時は「ユーザーが借金を重ねてしまうかも」と専門家から懸念の声が上がっていた

すでに「Apple Payで後払い」は、直営店の従業員らがテスト中との報告もあった。アップルのフィンテック・サービスは、同社にとって都合がいいとしても、ユーザーの利益になるとは限らず、公式なサービスイン後の影響を注視したいところだ。

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