Wi-Fi 4に関する説明は苦しい印象あり

アップル幹部、第2世代HomePodの仕様変更は劣化ではないと説明

Image:Apple

ついに発売されたHomePod(第2世代)についてアップル幹部らが、一度は終了したフルサイズのHomePodを復活させた理由から、あえて無線規格をWi-Fi 4に抑えた事情まで、幅広い質問に答えている。

同社のエンジニアリング担当副社長のマシュー・コステロ氏とプロダクト・マーケティング担当のアリス・チャン氏は、それぞれTechCrunchと米総合雑誌Men’s Journalの取材に応じている。以降、両誌に対する回答を総合したものをお伝えする。

初代HomePodは2018年に発売され、その後値下げを経て、2021年3月に製造を中止した。だが、その数ヶ月後に購入したものが3年前の発売時の物だったとの報告もあり、アップルは在庫を処分するのに苦労していると見られていた。

そうした背景を持つフルサイズのHomePodについて、なぜ第2世代を投入したのか、という点についてチャン氏は、HomePod miniが好評であることや、「よりリッチな大型スピーカーの音響への関心がこれまで以上に高まっている」との評判を聞いたため、リリースに至ったと述べている。

第2世代HomePodは、本体がわずかに小型・軽量化(高さが172mmから168mm、重さが2.5kgから2.3kg)され、上部のLEDタッチパネルが大きくなったものの、見た目は初代とほぼ同じだ。コステロ氏は、開発チームがこの形を「本当に大好き」であり、「この構造の中で素晴らしいシステムを作り上げられた」と語っている。初代が売上げ不振だった原因はデザインではない、という見解のようだ。

また第2世代HomePodは、他の最新アップル製品がほぼWi-Fi 6以上に移行しているなか、いまだに古いWi-Fi 4規格に留まっている。初代製品がWi-Fi 5だったことから、逆に仕様が劣化しているのでは?との声もある。

だがコステロ氏は、Wi-Fi 4を採用してるからこそ「システム全体で最適なものを正確に狙うことができる」という。Siriのリクエストに反応し、音楽を聴いたりスマートホームアクセサリーを操作したりなど、すべてに一貫した体験を確保し、しかもエネルギー効率が良くなっているとのことだ。

もっともTecCrunchは鵜呑みにせず、サプライチェーン上の制約(パーツ不足)から、既存のチップから大きく変更するのは難しかったのだろうと指摘している。

そして第2世代HomePodと初代がペアリングできない件について、コステロ氏は「ステレオペアにする場合、最適でバランスの取れた体験をするために、オーディオ特性が一致することが重要だ」と述べている。

さらに、「新しいHomePodは、ユーザーが愛する没入感のある部屋いっぱいに広がるサウンドを、初代HomePodよりもさらにディテール、透明度、レイヤーを増して提供するため、音響イメージは世代間で可能な限り純粋で一貫したものにしたいと考えた」とのこと。第2世代はトゥイーターが7基から5基に減っているなど、内部的には初代と別物となっているため、これは頷ける説明と言えそうだ。

第2世代HomePodは本日2月3日から発売開始され、日本での価格は44,800円(税込)。先行レビューの多くは初代と音質がほぼ同じと報じているが、ぜひ一度店頭で試聴してみたいところだ。

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