人員削減のためではないそう

米BuzzFeed、クイズなどコンテンツ作成にOpenAIのツールを使用へ

Image:Poetra.RH/Shutterstock.com

米国のオンラインメディアBuzzFeedが、コンテンツ作成のためにAIテキスト生成ツールChatGPTの開発元OpenAIを提携することを明らかにした。その用途としては、小難しい知識の解説記事ではなく、同メディアの人気コンテンツであるクイズの作成と、読者個人にパーソナライズしたコンテンツの作成にAIを使用する考えだ。

メディアがAIテキスト生成ツールで記事を作成するといえば、先日CNETの騒動があったばかりだ。その批判の多くは、AIを使って作った記事の半数以上に誤りがあったことよりも、誰にも告知せず、紛らわしい執筆者名を用いて、さも人間が書いた記事のように見せかけていたことに対するものが多かった。

Wall Street Journalが報じたところでは、BuzzFeed社内でもこのことに関し、AI生成記事のファクトチェックに関する懸念の声が多くあがり、また昨年ニュース部門の人員削減を行ったばかりの同メディアがAI導入でさらなる削減につながるのではないかとの声も聞かれた。しかしBuzzFeedのJonah Peretti CEOは、従業員に対してAIツールの使用は、正社員をより効率的かつ創造的にするための機会を提供し、人員削減が目的ではないと返答したという。

そしてPeretti CEOは、コスト削減を目的としたり、質の低いコンテンツ製作のためにAIに頼ろうとするメディアは、テクノロジーの使い方を酷く誤っているとし、それはBuzzFeedのアプローチではないと指摘したとのこと。

BuzzFeedは同メディアの人気拡大に寄与した、クイズなどの作成にAIを使用する計画を発表している。AIを活用してクイズを作れば、現在のような得点範囲やランク選択方式ではなく、ユーザーのより具体的な回答に基づいて、よりパーソナライズされた回答を提供できるだろう。

またPeretti CEOは、人間のライターがAIのインスピレーションを促す役割を果たすとし、今後20年のうちに、AIが既存の作品をたんに再利用(盗用)するのではなく、「コンテンツそのものを創造し、パーソナライズし、活気づける」ようになるとした。

ちなみに、公開から数ヶ月しか経っていないにもかかわらず急成長しているOpenAIのChatGPTに対して、軸足を置くことを計画しているのはBuzzFeedだけではない。マイクロソフトは「厳しいマクロ経済状況」を理由に約1万人の削減を発表したが、その2日後にはOpenAIのテキスト生成ツールに複数年で数十億ドルという巨額投資を実施すると発表している

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