牛のゲップは馬鹿にならない

ビル・ゲイツ氏ら、牛のゲップを減らし温暖化抑制する研究を支援

Image:Dudarev Mikhail/Shutterstock.com

牛のゲップに含まれるメタンガスを減らす研究をしている、オーストラリアのベンチャー企業Rumin8が、大富豪のビル・ゲイツ氏が設立した投資会社から1,200万ドルを調達したと発表した。

メタンガスは、牛や山羊などが食べた硬い草の繊維を胃袋で消化する際に発生する、CO2に次いで温室効果が大きな気体で、ゲップに含まれる格好で大気中に放出される。

ある研究では、牛に海藻を食べさせることで、ゲップの中のメタンガス成分を大幅に削減できると報告されている。Rumin8は、紅藻類から合成された栄養補助食品を開発し、これを牛に与えることでメタンガスの発生を抑制する研究に取り組んでいる。

Rumin8のマネージングディレクター・デヴィッド・メッシーナ氏は、「我々は、世界中の気候変動基金から受けた歓迎に非常に満足している」「家畜から排出される腸内メタンの解決策に資金を提供したいという心からの思いがあり、Rumin8にとって幸運なことに、彼らは我々の技術の利点に目を向けてくれた」とコメントしている。

Breakthrough Energy Venturesには、ゲイツ氏のほか、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏、中国Alibabaの共同操業者ジャック・マー氏らも出資している。

牛のゲップが地球温暖化の一因だというのはかなり前から言われていることだが、近年ではそれを真剣に抑制しようという動きが高まっている。

2019年には、大気中に含まれるメタンガスのレベルが産業革命以前に比べ2.5倍になったと伝えられており、ニュージーランドでは昨年10月に気候変動対策の一環として、家畜がゲップや排泄で発生させる温室効果ガスに課税することが提案された。

なお、メタンガスの大気中への放出は、もちろん牛のゲップだけではなく、化石燃料を採掘する際や、ゴミの埋め立て処分場などからも発生して放出される。ここ最近は中国による石炭採掘が増加しており、さらに東南・南アジア圏で人口増加にともない、家畜の飼育数も増えている。

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