何のメリットもありませんが…

アップルM2チップを旧モデルに移植した猛者現る。結果は…?

Image:Wirestock Creators/Shutterstock

今月発売された新型13インチMacBook Proは、見た目は旧モデルに瓜二つであり、ただプロセッサーがM1チップからM2チップに変更されただけのように見える。有機ELとタッチパネルから成るTouch Barも外部ポート類も変更はなく、同じ部品を流用しているかのようだ。

では本当に新旧13インチMacBook Proは、プロセッサー以外は全く同じなのか? 実際にM2モデルの中味をM1モデルの筐体に移植したYouTuberが、検証結果を報告している。

YouTuberのLuke Miani氏はM2 13インチMacBook Proを入手し、そのロジックボードを古いM1モデルに移植する作業を行っている。一見すると簡単そうではあるが、かなり手こずったようだ。なお、同氏は24インチiMacの発売前に「世界初のAppleシリコンiMac」(27インチiMacの筐体にM1 Mac miniのパーツを収納)を自作したことがあり、この手の改造は慣れている人物だ。

どうにか物理的なハードウェアの交換は上手くいったものの、このフランケンシュタインの怪物のようなMacBookは「電源が入らなかった」そうだ。Miani氏は色々と試してはみたが、どれも功を奏さず、結局は交換し直すことになった。

ただし注目すべきは、M2モデルのあるべき場所にロジックボードを戻すと、すべて元通りに動作したことだ。旧モデルに挿したからといって、ロジックボードが故障したわけではなかったのだ。

なぜM2のロジックボードが旧型で動かなかったのか、その理由はよく分からない。可能性の1つとしては、かつての「iPhoneのディスプレイに小さな制御チップが仕込まれ、交換後にはアップル側のサーバーとの通信が必要」のような仕組みがあるかもしれないが……。そもそも、こうした何のメリットもない移植を行う人は、PVを稼ぎたいYouTuber以外はほとんどいないだろう。

ともあれ、わざわざ身銭を切って新型MacBookの内部構造を見せてくれるのはありがたいことだ。本格的な各パーツの分析は、徹底的な分解でおなじみの修理業者、iFixitのレポートを待ちたいところだ。

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