最終的には3倍の大きさになる予定

遠心力で人工衛星を宇宙へ飛ばすSpinLaunch、「打ち上げられた側」視点の映像を公開

宇宙に人や人工物を送り出すには、現状ではロケットを使うのが一般的だ。しかし宇宙ロケットは昔から燃料を燃やすことで推進力を得るため、複雑な設計が必要になるうえ、コストもかかる。

Image: SpinLaunch(YouTube)

そこでSpinLaunchは、ペイロード(積載物)を収めたカプセルを遠心加速器で回転させ、十分な速度がついたところでリリース、はるか上空へと放り投げるシステム「Suborbital Accelerator」を開発している。

このシステムは動力に電気を使用するため、燃料を使用するロケットに比べ、運用にかかるコストは非常に低い。そして、1日に数回の打ち上げをこなすせることもメリットであるとSpinLaunchは説明する。

これがカプセルを放り投げるアクセラレーター(写真はSpinLaunch公式サイトより)

2021年10月21日に行われた初の打ち上げ試験以来、この加速器は何度か打ち上げ試験を重ねてきた。そして4月22日に実施された最新の試験では、初めてカプセルにオンボードカメラが取り付けられた。

公開された映像は、アクセラレーターから射出された全長3mほどのカプセルが、どのように上昇していくのかを克明にとらえている。カプセルは約1,000mph(1,600km/h)で射出され、あっという間に地上を離れていく。またカプセル後端に取り付けられているフィンが、姿勢を安定させるため機体をきりもみ状に回転させているのがわかる。

SpinLaunchは、今回の打ち上げ試験を「大成功」と自画自賛している。最も重要なのは、カメラシステムが時速1,000マイルの速度に達する際に受ける強力なG(加速度)に耐えられるとわかったことだ。

宇宙空間とされる高度は、国際航空連盟(FAI)では高度100km以上、米空軍では80km以上と定義している。そのため、SpinLaunchのシステムを実用化するには、さらに強力な打ち上げシステムが必要になる。ただ、カメラによる映像記録が可能になったことで今後は打ち上げの様子が記録され、システムの開発や改善に役立てられるはずだ。

現在のアクセラレーターは、将来的なシステムの1/3ほどの大きさだとしており、最終的なシステムでは、重さ200kgを超えるロケットを5,000mph(約8,050km/h)で射出するようになる。そして打ち上げられたロケットは上空60km前後でエンジンに点火し、軌道到達に向けて再び加速する仕組みになることが計画されている。

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