iOS 16.2やwatchOS 9.2により解決している可能性も?

アップル、衝突検出の“暴発”について緊急センターから意見を収集中

Image:Levranii/Shutterstock.com

iPhone 14全モデルや新型Apple Watchに搭載された「衝突検出」が誤作動し、スキーなどを衝突事故と検出して誤通報を続けているとのニュースは、先日もお伝えしたことだ。その問題は今なお解決しておらず、アップルも緊急出動の現場からフィードバックを集めていると報じられている。

米New York Postによる最新情報は、ニューヨーク州のグリーン郡とペンシルバニア州のカーボン郡での証言である。なお同メディアは信ぴょう性が怪しまれる場合があるものの、アップルの広報担当者からの公式コメントもあり、今回はニュースソースとして問題ないと判断している。

同記事によると、スキーシーズンが始まって以来、スキー場近くの緊急センターには転倒したスキーヤーやスノーボーダーからの自動911(緊急SOS)通報が殺到しているという。たとえばグリーン郡の911センターでは昨年12月と比べて間違い911コールが22%も急増したとのこと。

この衝突検出機能は、iPhoneやApple Watchが激しい衝突を検出すると通知が表示され、キャンセルされない場合は20秒後に緊急電話を発信する仕組みだ。つまりスキーヤーが転び、何ごともなく起き上がっても、周囲がうるさかったり、厚手のアウターを着ているときは警告に気づかず、自動的に緊急通報されてしまう可能性がある。

自動音声で電話が掛かってきた場合、911センターは折り返し電話をかけ、本当に緊急事態かどうかを確認するという。しかし持ち主が電話に出ない場合、センター側は位置情報を追跡し、山間部のスキーパトロールと共有するなどの措置を取る。そうした対応が現場に負担を掛け、人員やリソースを実際の緊急事態から遠ざけかねないわけだ。

カーボン郡の911センターでは、4つのスキー場にいるスノーボーダーから1日に最大20件も衝突検知の自動通報を受けるようになったという。911アシスタントマネージャーは「負担」になっているといい、「もう十分に忙しいんだ」とぼやいている。

この報道を受け、アップルの広報担当者は現在、衝突検知により自動通報が急増している911コールセンターと連絡を取り、フィードバックを集めているとコメント。それ以上の詳細は述べていない。

アップルの公式説明によれば、本機能は車内の圧力変化や速度の変化、大きなノイズなどを各種センサーで検知し、「100万時間以上の実世界での走行と衝突事故データでトレーニングされた高度なモーションアルゴリズム」が正確性を提供しているとのことだ。裏返せば、スキーやジェットコースターなど速度の変化や大きなノイズを発する状況は想定外だったのかもしれない。

アップルは11月下旬にiPhone 14シリーズ向けに衝突検知を最適化したiOS 16.1.2を、続いて12月中旬にApple Watch向けのwatchOS 9.2をリリースしている。これらのアップデートがスキーヤーからの誤通報を抑制する効果があったのかは、今のところ不明だ。全ユーザーがソフトウェア更新を直ちに適用するとは限らないため、もうしばらく経過を観察する必要があるようだ。

とはいえ、衝突検出が実際の自動車事故で人命救助に繋がったとの報告はすでに何件もある。その中には衛星経由の通信機能と合わせて、携帯圏外の谷に転落した男女がレスキュー隊を呼べたとの報道もあった。誤通報がレスキューの現場にかける負担は決して軽くないとはいえ、現実に応じたアップデートにより今後も命綱となり続けるよう祈りたいところだ。

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