「Crayon」ならUSB-Cで充電できる

Apple Pencilをカスタマイズ!ペン先交換やサードパーティ製ペンを試す

iPadの手書き入力環境が向上するサードパーティ製のアクセサリーを試してみた

iPad専用のデジタルペン「Apple Pencil」を使ってできることが増えている。先日のソフトウェアアップデートでは、クラウド上でのデバイスをまたいだクリエーションや共同作業にも便利なアプリ「フリーボード」が追加された。

そこで今回は、iPadの「手書き入力」をより快適にしてみたいと思う。本稿では、最新のサードパーティー製アクセサリーによる使い勝手をレポートしていこう。

ペアリング設定不要のロジクール「Crayon」がUSB-C対応

アップルが今秋に発売した第10世代のiPadは、 “無印iPad” として初めてUSB-Cコネクタを搭載した。第1世代のApple Pencilによる手書き入力に対応するが、第9世代のiPadと比べて少し不便を感じるところがある。ペンシル側のコネクタがLightningのまま変わっていないので、ペアリングや充電のために変換アダプターが必要になるからだ。

筆者は複数のiPadを使っているが、ある日、第10世代のiPadと一緒にペアリングを済ませていないApple Pencilを外出に持ち出してしまった。残念なことに変換アダプターとケーブルを持っていなかったため、その日はApple Pencilが “ただの棒” と化してしまった。

第10世代のiPadはUSB-C端子を搭載するが、Lightningコネクタ仕様の初代Apple Pencilに対応する。ペアリングや充電の際には専用のUSB-C to Apple Pencilアダプターが必要だ

このウィークポイントを補ってくれそうなiPad専用デジタルペンが、ロジクールから発売された「Logicool Crayon for iPad/iP11」だ。価格は10,800円(税込)。

同社は2018年にLightningタイプのCrayon(iP10)も発売しているが、新しいiP11はコネクタがUSB-Cになった。コネクタへのゴミの侵入を防ぐフタが省かれているので、見た目にはLightningタイプのiP10よりも少し地味な印象を受ける。

だが、実際にはアルミニウムのボディは仕上げが美しく満足度が高い。テーブルの上に置いた時に転がり落ちないよう形状をフラットにして、最大1.22メートルの高さから落下しても壊れない耐久性を持たせた。ヘビーなペンシルユーザーの信頼にも応える。

USB-C対応のiPad向けにロジクールが発売した「Logicool Crayon for iPad/iP11」。マット仕上げのアルミニウムボディを採用。手元にしっかりとグリップする

Apple Pencilとの大きな違いは「ペアリングが要らないこと」。互換性のあるiPadのスクリーンにいきなり書き込める。ただ、もしCrayonとApple Pencilを併用するのであれば、Apple Pencilのペアリングは事前に解除するか、iPadのBluetoothはオフにしたい。

Apple Pencil vs Crayon:それぞれの良い所と課題は?

本体内蔵の充電池は、満充電から約7時間の連続使用が可能だ。バッテリーの浪費を防ぐため、Crayonには電源スイッチがあるのも面白い。電源をオンにすると3つのLEDインジケーターが点灯して、大体のバッテリー残量がわかるが、Apple Pencilのようにひと桁単位で正確な残量が把握できないところはやや心許ない。

LEDランプの点灯によりバッテリーの残量を知らせる

円柱形状のApple Pencilに対して、Crayonは平たいペンなのでホールド感にはかなりの違いがある。樹脂製のペン先による書き味はとても滑らかで心地よいし、ペン先の描画再現がとても正確で、筆圧もしっかりと乗る。

質量はCrayonの方が第1世代のApple Pencilよりも0.7グラムほど軽い。Crayonのアルミボディが梨地仕上げなので、ピタリとしたグリップ感が得られる。文字を書いたり、イラストを描く用途の両方で快適さが実感できるはずだ。

iPadとのペアリングは不要。滑らかな書き心地が得られる

Crayonは両端がUSB-Cコネクタのケーブルがあれば、iPadに直接つないで充電もできる。ただこれ以外に特別なiPadとの連携機能はない。第2世代のApple Pencilが搭載するTouchサーフェスのダブルタップによる切り替えや、iPad本体にマグネットでくっ付けてペアリングや充電ができる機能は、やはり慣れると手放せない。

またUSB-C対応のCrayonは、第1世代のApple Pencilより4,000円以上も安価だ。ただペンの良し悪しは「書き味」によって決まるところが大きいので、購入を検討する段階でそれぞれを試してみることをおすすめしたい。第9世代のiPadユーザーには、LightningコネクタのCrayon iP10もある。

書き味やコスパに違い。「Apple Pencilのペン先」を探せ

もう長くiPadでApple Pencilを活用している方は「ペン先」をどれぐらいの頻度で交換しているだろうか?

Apple Pencilのペン先は樹脂でできているため、長く使うほどにペン先が鉛筆のようにすり減って丸くなる。筆者の場合、iPadは文字を書く用途がほとんどなので、半年に1度ぐらいのペースで純正品のペン先を交換している。だが、筆者の家族はiPadでイラストや画を描く仕事をしているので、ペン先の減りはもっと早い。

丸くなると「描き心地」も変わるので、家族は1〜2ヶ月ほどでペン先を変えている。純正品の価格は2,980円(4個/税込)なので、チリも積もればなかなかの出費になる。

そこで、純正品よりも少し安価なサードパーティーのペン先も試してみることにした。たとえば、エレコムが発売するApple Pencil対応のペン先には多彩なバリエーションもある。

エレコムが発売したApple Pencil(第2・第1世代対応)の使用感を比較した

最初に試した「P-TIPAPY01WH」は、最もアップル純正品に近い白い樹脂製のペン先。価格はオープンだが、エレコムのWebダイレクトショップの価格は1,780円(3個/税込)だ。1個あたりの価格はアップル純正品が745円、エレコムは520円と経済的だ。

エレコムのペン先はアップル純正のものよりも適度に柔らかく、抵抗感も持たせている。純正品よりも先端がややスリムだが、しっかりとグリップを残した書き心地が得られ、筆記も安定している。筆者のようにiPadを取材ノートにしたり、文字を書くユーザーには安心の選択肢だ。

最も純正品に近い樹脂素材の「P-TIPAPY01WH」

でもやはり樹脂素材のペン先なので、使い込むほどにすり減ってくる。そこで試した製品がエレコムの「P-TIPAP03」。先端をボールペンのような銅素材としたペン先だ。

エレコムでは本製品のペン先が「摩耗しにくい」ことを特長にうたっている。パッケージの入り数も2個と少ない。価格はオープンだが、エレコムの直販ストアの価格は2,380円(2個/税込)。

ボールペンのような銅素材の “すり減らないペン先” とした「P-TIPAP03」

ペン先がすり減らないのでとても経済的だが、実はiPadのスクリーン側をケアしなければならなくなる。金属のペン先が繰り返し接触することでスクリーンのカバーガラスに細かい傷が付く恐れがあるからだ。そのためエレコムは、iPadのスクリーン保護フィルムとの併用を推奨している。

iPadに対応する保護フィルムの中には、紙に描いているような適度な摩擦感が得られる製品もあり、筆者の家族もそのようなフィルムをiPad Proに貼って描いている。金属製のペン先を使うと、やはり特殊なコーティングを施したフィルムの摩擦感・抵抗感が早く失われてつるつるになるようだ。結果、ペン先は長く使えても、フィルムを買い換える頻度が増えて出費がかさむことにもなりかねない。

描画位置が見やすい「極細」のペン先

エレコムが発売する金属製のペン先には「P-TIPAP02」もある。こちらも価格はオープンだが、エレコム直販ストアの価格は2,380円(2個/税込)。P-TIPAP03のペン先は約1.8mmだが、本製品は約1mmとなり、「極細」の線も描きやすくなるペン先としてアピールしている。

細かな線の描画に適した「P-TIPAP02」

筆者の定番メモアプリ「GoodNotes 5」や、家族がイラスト制作に使っている「Clip Studio Paint」は、アプリ側の設定から線の太さを選ぶ。そのため、もちろんアップル純正のペン先でも細い線から太い線まで自由自在に描ける。

だが、実際のペン先が細いとペン先のスクリーンに対する接地点のズレが少なく感じられる。特に細かなイラストや図面を制作する用途には本製品が向いていると言えそうだ。このペン先の真価を発揮させるために、iPadはペン先と描画の間に生まれるギャップが少ないフルラミネーションディスプレイを搭載するモデルがおすすめしたい。

なお、本体を透明なポリカーボネート素材とした「P-TIPAP04CR」ならペン先がより見やすくなる。価格はオープンだが、エレコムの直販ストアの価格はホワイトのモデルよりも少し高い2,580円(2個/税込)だ。

ボディの素材が透明な「P-TIPAP04CR」

筆者はiPad miniにマット系、iPad Proにはペタッとした質感の光沢系の液晶保護フィルムを貼って試したが、極細タイプのペン先はどちらかと言えば光沢系フィルムとの相性が良さそうだ。マット系のフィルムはたまに描画が空振りすることもあった。組み合わせる液晶フィルムによる書き味の振れ幅は、他のペン先よりも少し大きいと感じた。ただ細い線も快適に描けるペン先を必要とする方には、他にないメリットを強く感じられると思う。

近ごろはiPadを仕事や趣味のために使うユーザーが増えて、デジタル文具としてのApple Pencilに多くの関心が集まっている。筆者はApple Pencilをバッグの中などでよく見失うので、「探す」機能に対応したデジタルペンをアップル、またはどこかのメーカーが作ることに期待している。2023年はApple Pencilの周辺が熱く盛り上がることを期待したい。

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