「安さ」前提だけに高コストの折りたたみ式は論外?

次期iPad miniは2023年末~2024年初に発売?ただし折りたたみ式は望み薄

Image:Framesira/Shutterstock.com

アップルが何らかの折りたたみデバイスを開発中であることは確実視されており、具体的には「折りたたみiPad」が2024年に発売されるとの噂話もあった。

そんななか、次期iPad miniが2023年末~2024年前半に出荷が始まりつつも、それは折りたたみ式にはならないとのアナリスト予測が報じられている。

アップルのサプライチェーン情報に精通するアナリストMing-Chi Kuo氏は、ツイートを連投。まず、2025年にiPad miniが折りたたみ式iPadに置き換えられる可能性は低い。なぜなら価格が著しく高くなるため、置き換えは合理的ではないと述べている。

これは以前、同氏が「アップルが早ければ2025年に初の折りたたみ製品を発売する可能性があり、それは折りたたみ式のiPadまたはiPadとiPhoneのハイブリッドになる」と発言したことを受けたものだ。

そこでは、テスト中のモデルは「iPhoneとiPadの中間サイズとなる約9インチの折りたたみ有機EL」とされていた。つまりサイズが近いiPad miniの置き換えが連想されたわけだが、今回その可能性が否定された格好である。

複数の情報源が、「アップルが折りたたみ式デバイスを開発中」と伝えているものの、ほとんどは大型かつ高価な製品を示唆していた。たとえば、ディスプレイ専門アナリストRoss Young氏は、アップルが20インチ前後の「折りたたみノートPC」に関心があると述べ、BloombergのMark Gurman記者は「MacBookとiPadのハイブリッド」になる可能性を仄めかしていた。いずれも、アップル製品としては廉価なiPad miniとは程遠いイメージである。

さて、本題とも言えるのが次期(第7世代)iPad miniの情報だろう。Kuo氏は「主なセールスポイントとして新しいプロセッサを搭載」と述べており、基本的なフォームファクターの変更がないまま、スペックだけが向上することを示唆している。

現行のiPad mini(第6世代)は2021年9月に発売され、前世代より広くなった8.3インチ画面、iPhone 13と同様のA15 Bionicチップ、Lightning端子からUSB Type-Cに変更、Touch IDを側面の電源ボタンに統合、セルラーモデルは5G対応など、数年ぶりにデザインやポート類を一新したばかりだ。アップル製品の傾向からいって、あと数世代は主にプロセッサーのみが更新されていくと思われる。

現行のiPad miniは「ゼリースクロール」、すなわち縦置きにしてWebページなどを素早くスクロールすると、文字や画像が揺れて見える現象が確認されている。これも低価格の液晶パネルを使っているからと思われるが、「安さ」に重点が置かれたカテゴリーだけに高価になりやすい折りたたみ機構の採用は望み薄かもしれない。

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