Amazonはスマホアプリに割く余裕がない?

スマホの音声アシスタント、最下位はAlexa。では1位は?

Image:tommaso79/Shutterstock.com

ここ最近、音声アシスタントへの注目度は下がっているが、それでもスマートフォンの使いやすさに貢献していることに変わりはない。では、各社が提供する音声アシスタントのうち、どれが最も優れているのか? GoogleアシスタントとアップルのSiri、サムスンのBixbyおよびAmazonのAlexaを比較した動画が公開されている。

ガジェット系YouTuberとしてトップクラスの人気を誇るマルケス・ブラウンリー(別名MKBHD)氏は、4社の音声アシスタントにつき反応を検証するテストを実施。5年前に行ったテストの続編でもある。

その結果は、前回同様にGoogleアシスタントがトップとされ、AmazonのAlexaは最下位となっている。これまでスマートスピーカー勝負は頻繁にあり、そこでAlexaが上位にあったことを振り返れば意外な感もあるが、今回はあくまで「スマートフォン向けアプリ」の比較ということだ。

まずSiriの減点対象となっているのは、1つには「複数のタイマーをセットできない」ということだ。HomePodやApple WatchのSiriは複数を扱えるのに、なぜかiPhoneでは1タイマーしか念頭に置かれていないのである。もちろんGoogleアシスタントは、はるか以前から音声操作で複数のタイマーを操作できる。

またSiriは、会話形式で質問を続けることでもGoogleアシスタントと対等に渡り合っており、BixbyやAlexaに差を付けている。もっともアシスタントの方がSiriよりも長く文脈を持ち越すことができ、アップルとGoogleのAIにおける練度の格差を示唆しているかのようだ。

そして外部デバイスの制御に関しても、Siriの結果はもの足りない。GoogleアシスタントやBixbyは、音声の録音を開始したり、Netflixで特定の番組を再生さえもできる。だが、Siriは単に関連アプリを起動するだけで、それ以上の踏み込んだ操作はできないのである。

さらに意外なことは、Siriに自撮りを指示しても、何一つ手伝ってくれないことだ。Googleアシスタントであれば、「カメラアプリを起動し、自撮りカメラに切り替え、カウントダウンを開始してから写真を撮る」一連の操作を自動的に行ってくる。しかし、iPhoneのSiriは、カメラアプリを起動するだけで終わりだ。

それでもSiriは、5年前より着実な進化を遂げているのに対して、Alexaは「大失敗」と評されている。事実の検索も満足の行く結果を出せず、アプリと対話もできず、会話モデルも貧弱で、スマートフォン向けには最も劣っているとのことだ。

先日、Amazonは最大1万人の従業員を解雇する可能性があり、その対象はAlexa搭載のさまざまな製品を含むデバイス事業だと報じられていた。デバイス、つまり自社ハードウェア事情の業績が芳しくなかったとすれば、他社スマートフォン向けアプリに割くリソースの余裕はあまりなかったのかもしれない。

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