Xboxユーザーにとって長年の疑惑

「FF16」や「サイレントヒル2」リメイクはXbox版無しか? MSがソニーの独占契約を主張

Image:Square Enix

米マイクロソフト(以下、「MS」)は、ソニーがスクウェア・エニックス、コナミとの間に締結した独占契約のため、『FINAL FANTASY XVI』(以下『FF16』)、『FINAL FANTASY VII REMAKE』、およびリメイク版『サイレントヒル2』がXboxプラットフォームでリリースされないと主張していることが明らかとなった。

これはMSがアクティビジョン・ブリザード買収につき、英競争市場庁(CMA)に対する回答書の中で述べたものだ。本文書は10月末に提出されていたが、111ページもの長さがあり、発見が遅れた形である。

ゲーム業界で独占戦略は珍しいことではなく、ソニーや任天堂のファーストパーティ作品(ゲーム機を出しているメーカーによるソフト)もPlayStationないしNintendo Switchの専売タイトルとなっている。『The Last of Us』や『Ghosts of Tsushima』、あるいは『スプラトゥーン3』『あつまれ どうぶつの森』などが独占とされていることは、特に問題視されていない。

今回MSが主張しているのは、ソニーがファーストパーティ製のみならず、自社以外の大手パブリッシャーがゲームを配信できるプラットフォームからXboxを「除外」する協定を結んでいることだ。その代表例として上記3タイトルのほか、『Bloodborne』(フロム・ソフトウェア開発)も挙げられている。

実際、『FINAL FANTASY VII REMAKE』はPS5版が発売されてから2年半、PC版が発売されて1年以上が経つが、Xboxに移植される気配は全くない。また『FF16』は発売後の6ヶ月間はPS5の時限独占だと明かされている(下記トレーラーの15~16秒あたりに「PS5 exclusive for six months」と表示)一方で、Xbox版についての公式アナウンスは確認されていない。

また『サイレントヒル2』リメイクも、2ヶ月前にPS5とSteam(PC)向けに発表されたが、やはりXbox版には触れられていなかった。

これらは、あくまでも「MSがそう主張している」に過ぎず、事実だと保証する裏付けは示されていない。そもそも『Bloodborne』はフロム・ソフトウェアとSCEジャパンスタジオ(当時)の共同開発であり、PlayStation独占になるのも自然なこととも思える。

とはいえ、『FF16』が家庭用ゲーム機では永遠にPlayStation独占なのか、それとも将来的にはXboxにも移植されるのか、という点にはゲーマーの注目も集まっている。目下、MSは米連邦取引委員会(FTC)が提起した訴訟の準備を進めているが、そちらでも新たな主張や新事実が登場するのかもしれない。

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