ハイエンドMacBook ProだけがミニLEDに?

サムスン、iPad Pro向け“タンデム型”有機ELへの投資を本格化か

Image:NYC Russ/Shutterstock.com

アップルが有機ELディスプレイを採用したiPad Proを開発中であり、その画面パネルをサムスンが準備中であるとのサプライチェーン情報は何度も伝えられてきた。サムスンがそのために、有機EL技術開発の優先順位を変更している(iPad向けを優先している)との噂が報じられている。

韓国の電子業界産業誌The Elecによると、サムスンは日本のUlvac社と共同開発してきたフルカット垂直蒸着方式への投資を延期し、その代わりにキヤノントッキが開発するハーフカット水平蒸着法への投資を開始するとのこと。

そして後者は、アップルにタブレット用有機ELパネルを供給するのが目的に開発されているという。さらに「有機ELパネルを搭載したiPadの発売が予定」との見通しも再確認されている。

この有機EL版iPadに用いられるのは「2枚重ねのタンデム型有機ELパネル」とのこと。これは信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏ほかが言及していた「タンデムスタック構造」(ないしツースタックタンデム型)を指しているのだろう。

タンデムスタック構造とは、赤、緑、青の発光層を2段重ねにする方式のことだ。Young氏によれば、従来方式よりも輝度の向上や画面の長寿命化、消費電力の約30%削減が可能。さらに最大120Hzを実現するProMotion(可変リフレッシュレート)にも対応すると述べられていた

有機EL版iPad Proの発売時期については、今のところ2024年が有力視されている。それはYoung氏も言及しているほか、アップルの内部情報に精通するBloombergのMark Gurman記者も肯定。11インチと12.9インチ両方とも有機EL版が投入されるとのことで、現世代の「11インチは従来型液晶ディスプレイ、12.9インチはミニLEDバックライト搭載」として差別化する方針も撤回されるかもしれない。

また、同じ2024年には有機EL版の13インチMacBook Airが投入されるとの予想もある。その場合、ミニLEDバックライト液晶画面が搭載された(現在の延長上で後継機が出るのであれば)上位モデル、14/16インチMacBook Proとの位置づけがどうなるのかも興味深いところだ。

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