Ultraユーザーにはありがたい変更

最新Apple Watch、iPhoneより本体側のGPSを優先する仕様に変更していた

Image:Hadrian/Shutterstock.com

Apple Watchには6年前に登場したSeries 2以来、独自のGPSが搭載されてきた。それでも母艦のiPhoneが近くにあれば、iPhone側のGPSを使う仕様となっていた。このシステムについて、Apple Watchの最新モデルで変更されたことが公式サポート文書で明らかにされている。

この変更は、スポーツテック系ブログのDC Rainmakerが発見したものだ。サポート文書の更新は約2週間前(日本向けは1週間前)に行われていたが、主要なテックサイトは見のがしていた格好である。

平均的なiPhone/Apple Watchユーザーにとっては、どちら側のGPSが使われるかは些細な違いだろう。だが、熱心なスポーツ愛好者であれば重要な問題となり得る。

DC Rainmakerでは、iPhoneをバックパックの奥深くやポケットに入れているとGPSの精度が低下することや、初期のApple Watchで自宅を出て(iPhoneを室内に残して)ワークアウトを始めるとき、GPSのハンドオーバー(切り替え)に齟齬をきたしたことが指摘されている。

最新の文書には、次の注釈が追加されている。

Apple Watch Ultra、Series 8、SE (第2世代) は、iPhone が近くにあってもApple Watch内蔵のGPS を使います。それより古いApple Watchは、バッテリーを節約するため、利用できる場合は iPhoneのGPS を利用します。

Apple Watch Ultraはバッテリー容量に余裕があるだけに、いつでも内蔵GPSを使ったとしても不思議ではない。だが、Apple Watch Series 8とSE(第2世代)のハードウェアはSeries 7と大差ないにもかかわらず、これら2つが含まれているのは興味深い。もしかすると、スポーツ愛好者向けに新型への買い換えを呼びかける、アップルなりのメッセージなのかもしれない。

また、これまでApple WatchがiPhone側のGPSに依存してきたのは、バッテリー消費を節約するためだとアップル公式に認めた形でもある。

iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro MaxおよびApple Watch Ultraは、高精度2周波GPSに対応した初のアップル製品だ。この2周波システムは大都市など障害物の多い場所で真価を発揮し、走った道路や自転車ルートなどを正確に記録できる。

Apple Watch UltraをiPhone 14 Proモデル以外とペアリングしているユーザーは、今回のシステム変更により、精度の高いUltra側のGPSを常時利用できるようになる。スポーツ愛好者にとって、Apple Watch Ultraはますます魅力的になったと言えそうだ。

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