Switchのような「家庭用ゲーム機」にしたい?

まもなく日本上陸の「Steam Deck」、後継モデルはバッテリー強化か

Image:Mr.Mikla/Shutterstock.com

Valve社の人気携帯ゲーミングPC「Steam Deck」が、日本国内で8月から予約開始され、12月17日から発送を開始すると予告されている。なお、北米や欧州で先行して、2022年2月から出荷されている。

そこで注目が集まっているのが、Steam Deckの後継モデルである。Valve社は「ハードウェアとソフトウェアの改良とイテレーション(訳注:一般的には強化型)を行い、Steam Deckの新バージョンを市場に投入する」と公式冊子でも宣言していたが、その続報が届けられている。

Steam DeckのデザイナーであるLawrence Yang氏とPierre-Loup Griffais氏は、米テックメディアThe Vergeのインタビューに応じた。この中でGriffais氏は「Steam Deckの新モデル」について、「もう少し長い間1つの性能レベルを維持し、大きな利得がある場合のみ性能レベルの変更を検討すると思う」と述べている。

すなわち、Steam Deckの新モデルは性能を向上させるつもりがない、と示唆しているようだ。一方で今回のコメントは、今年8月に述べていた「よりオープンで高性能」になるとの発言と食い違っているようにも思える。

これは矛盾しているというよりは、Steam Deckが予想外の成功を収めている(過去41週間のうち30週間もSteamトップセールを記録)ことや、アップデートのたびに大量のバグが出ていることを受けて、軌道修正した結果のようだ。

Griffais氏いわく、「今、すべてのSteam Decksが同じゲームをプレイできること、そしてユーザーがプレイ時にどれほどのパフォーマンス水準を期待できるかを理解し、開発者も何を目標とすべきかを見定める1つの目標があること……この単一の仕様を維持することに大きな価値がある」としている。

The Verge側は、任天堂が技術的には可能なはずの「Switch Pro」を一向に出さない、Nintendo Switchの性能を上げない選択を繰り返していることを例に挙げている。家庭用ゲーム機はたった1つの仕様しかなく、それが何年も維持されることで、ゲーム開発者も目標パフォーマンスの設定やデバッグがしやすい。千差万別のハードウェアを持つゲーミングPCとは対極にあるが、Steam Deckも家庭用ゲーム機に近づけようという意図とも推測される。

もっともYang氏は、最近生産されたSteam Deckがバッテリーを交換しやすくしていることを明かしている。初期ロットと見かけや基本性能は同じであれ、内部設計はロット毎に改良を続けていく……という発想も、家庭用ゲーム機と似ているようだ。

また、Griffais氏が最近流行りのAMD「Ryzen 7 6800U」搭載UMPC(Ultra-Mobile PC)について、「競争相手と見なさない」との趣旨を述べているのは興味深いところだ。その理由の1つは、消費電力が高くバッテリーが大型化しやすいということだ。たとえばAYANEO 2は40Wだが、Seam Deckは29W程度となっている。

これらの発言を総合すれば、「Steam Deck2」では基本性能をあえて変えないことで、いっそうのバッテリー持ち改善を目指しているのかもしれない。

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