タイムラインがターゲティング広告だらけに?

Twitter、収益化のためユーザーの電話番号を販売予定?App Store規約違反のおそれ

Image:mundissima/Shutterstock.com

イーロン・マスク氏はアップルのティム・クックCEOと直接会談した結果、TwitterアプリがApp Storeから削除されるおそれは解消したと述べていた。が、大赤字を抱える(マスク氏が買収のために調達した借金がかなりの比率を占めるが)Twitterはさらなる収入源を求めているため、アップルとより深刻な衝突が生じる可能性があると報じられている。

独自の情報源に定評あるPlatformerによると、Twitter社はユーザーにパーソナライズされた広告(ユーザーの嗜好に基づくターゲティング広告)や、より侵襲的なトラッキングを許可するよう強制する可能性があるという。有料プラン「Twitter Blue」の加入者は、こうしたより過激な広告やトラッキングの対象から外される。

より侵襲的なトラッキングとは、具体的には「位置情報の共有や、2段階認証に使う電話番号を広告ターゲティング目的で販売することへの同意を要求」するとのことだ。

サービスを提供する会社がユーザーの位置情報を販売するのは珍しい事態ではなく、たとえば探しものトラッカーTileを買収したLife360が「ビジネスモデルの一部」として認めたことがあった。それがプライバシーポリシーに明示されている場合は、道徳的な話はさておき、実務的に問題になるわけではない。

ただしiOSアプリで同じようなことを行うと、複数のApp Store Reviewガイドラインに違反する事態となる。たとえば3.2.2 (iv)には「Appは、ユーザーにAppの評価やレビュー、ビデオの視聴、他のAppのダウンロード、広告のタップ、トラッキングの有効化を求めるべきではありません」と明記されている。

Metaに改名する以前のFacebookも、アップルがiOS 14.5でアプリトラッキング透明性(アプリがユーザー追跡する前に、プロンプトの表示を義務づける)を導入するにあたり、無料で使い続けたければ追跡を許可するよう呼びかけたことがあった。ただし「呼びかけ」に留まり、別に義務ではない。

今回の噂話は、Twitterの内部リークを情報源としているという。また位置情報や電話番号の販売を、マスク氏が直接指示しているかどうかも明らかではない。

アップルのクックCEOと会談した中で、マスク氏もこれらの行為が許可されておらず、今度こそTwitterがApp Storeから削除される恐れがあることを十分に理解しているはずだ。が、もしもTwitterがこの変更を推し進めたなら、アップルと再び「戦争」となる可能性がある。そもそも電話番号の販売を嫌って大量のユーザー離れを招くことも容易に想像できるため、単なる噂話として立ち消えになるよう祈りたいところだ。

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