テスラ株下落に基づく首位陥落
イーロン・マスクが世界長者番付の首位陥落。テスラ株下落響く
昨年9月にAmazon創業者ジェフ・ベゾス氏を抜いて以来、世界長者番付の頂点に位置していたイーロン・マスク氏が、その座から陥落した。この番付はForbesの調べによるもので、新たな世界一の大金持ちにはモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)のベルナール・アルノー氏で資産額は1862億ドル(約25.63兆円)とされている。
マスク氏の資産はテスラ株に強く結びついており、今週月曜日にテスラ株が終値で約6.3%の下落になったことも、今回の首位陥落に影響しているかもしれない。最新のランキングでは、マスク氏の資産額は1813億ドル(約24.96兆円)となり、アルノー氏の資産額がマスク氏を上回ることになったとCNBCは説明している。
ちなみに、テスラ株は今年までの2年間で10倍以上という急激な成長を果たし、それによってマスク氏の資産額も大きく膨れ上がっている。しかし、最近ではマスク氏が440億ドルでのTwitter買収を強行し、その後Twitterの改革に没頭、テスラやSpaceXからエンジニアを連れてきてTwitterで作業に当たらせているとも伝えられている。
こうした動きはテスラの投資家たちを困惑させ、テスラ株はマスク氏がTwitter株を購入したことを明かした4月からこれまでにおよそ50%以上も下落する流れになっている。マスク氏本人も、手もとの資金のためか、Twitter買収後200億ドル相当のテスラ株を売却した。
リサーチ企業FactSetのデータによると、現在のマスク氏のテスラ株保有率は14.11%となっている、またSpaceX株は全体の40%以上がマスク氏の保有だ。
一方、アルノー氏はLVMHの株式47%、議決権63%を保有しているとのこと。LVMHの株価は2022年に1.5%の下落となっているが、テスラ株の下落がマスク氏の資産額を減らしたことで、アルノー氏が首位に押し上げられたと言えそうだ。
ちなみに、Bloombergが発表するビリオネア指数のほうは記事執筆時点でマスク氏が1680億ドルでトップを維持し、アルノー氏が1670億ドルで2番手となっている。