Blueで稼いでサーバーを大量発注?

Twitter、サーバー発注を8割減との情報。ユーザー大幅増の目標と矛盾

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Image:FellowNeko/Shutterstock.com

Twitterのイーロン・マスク氏は先月末、12~18ヶ月以内に月間利用者数を10億人にしたいと語っていた。この数字は買収した直後から掲げていたものではあるが、現在の2億3800万人(2022年第2四半期)からすれば、また凄まじいリストラによって人手不足も懸念されている中では、大胆すぎる目標といえる。

それに続き、なぜかTwitterが新規サーバーの発注を8割減らしたとの有力情報が伝えられている。

この噂の発信源は、アップルのサプライチェーン情報に精通するアナリストMing-Chi Kuo氏だ。なぜKuo氏がTwitter関連の発信を?と意外な印象もあるが、いつものアジア地域サプライチェーン内の人脈を通じて情報が得られたとも推測される。

Kuo氏によれば、Twitterはマスク氏の買収後、(新規)サーバーの発注を80%減らしたという。さらに、ほぼ全てのTwitterサーバーがインテル製チップを使っているとのこと。インテルにとってサーバー向けプロセッサーは主要な収入源の1つとなっているため、この発注減によって同社の2023年の売上と利益に悪影響が及ぶと予想されている。

さらにツイートでは、Twitterはコンピュータ製造会社Wiwynnにとってサーバ関連クライアント上位3社のうちの1社のため、こちらにも良からぬ影響があるとの趣旨が述べられている。

IT大手にとって経済状況が厳しさを増している中では、Twitterがコストカットを急ぐのもやむを得ないとも思われる。ちょうどマスク氏は「数年もツイートもログインもない」休眠アカウント約15億を近日中に削除し、アカウント名を開放すると予告しているが、この対応も、サーバーへの負担を軽くする意図が含まれている可能性もありそうだ。

一方で、このアカウント削除の方針に対して、メモリアル的に残されていた故人のアカウントが消され、またなりすましが蔓延るおそれがあるとの指摘も相次いでいる。が、マスク氏は特に何もコメントしていない。

一見すれば「新規サーバー発注を減らしながら月間利用者数を4倍増」の目論見は、矛盾しているとも思える。

が、おりしも有料プラン「Twitter Blue」を12月12日(米現地時間)に再開することがようやく発表された。このプランが成功するとともに大手広告主が戻り、莫大な現金収入を確保してから、マスク氏は改めて、従業員とサーバーを再び増やすことに転じるのかもしれない。

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