折りたたみiPhoneは望み薄
アップル、約20インチの折りたたみ有機ELをMacBook向けに開発か
アップルがおそらく将来のMacBook Proモデル向けに、約20インチとなる折りたたみ式ディスプレイの開発を始めたとの噂が報じられている。
韓国の電子業界情報誌The Elecによれば、この製品には「国内大手部品会社」が製造する20.25インチの有機ELディスプレイが搭載されるという。このディスプレイは折りたたみ時には15.3インチの画面となり、現行製品としてはiPad Proの最大サイズ(12.9インチ)よりは大きいが、16インチのMacBook Proよりは小さくなると予想されている。
今回の記事では、アップルが折りたたみ式デバイスの商品化を2026年~2027年に検討しているとしつつ、iPadとMacが有機ELディスプレイに移行するまでは可能性が低いと分析している。2022年現在、有機ELを採用したアップル製品はiPhoneのフラッグシップモデルとApple Watchのみであり、有機EL版iPadも薄くて軽くて「比類なき」画質を追求すると言われながらも噂レベルに留まっている。
さらにThe Elecは、アップルが最初の有機EL版iPadを2024年に投入し、翌年にはiPad miniを10インチ未満の折りたたみ式デバイスに置き換えるとの予想を紹介。一方で、折りたたみ式iPhoneの開発が進んでいるとの噂話にも触れつつ、それについては「可能性は低い」と否定気味だ。
アップルが折りたたみ式デバイスを開発中であるとの噂は、これまでも複数の情報源から届けられてきた。
まず信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏は、アップルが20インチ前後の「全画面折りたたみ式ノートPC」についてサプライヤーと協議中だと言及。さらにアップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者も、20インチ折りたたみ製品が「MacBookとiPadのハイブリッドを模索している」「ディスプレイの下半分が仮想キーボードになる」とも述べていたが、いずれも今回のThe Elec報道と符合している。
かたや折りたたみ式iPhoneに関しては、英市場調査会社CCS Insightも否定的な見解を発表していた。現状でiPhoneを折りたたみ式にすると「信じられないほど高額」となり、トラブルがあった際、信頼に傷が付くリスクも高いというわけだ。
これらの噂話を総合すると、いずれ折りたたみ式ディスプレイを持つMacとiPadのハイブリッドが登場する可能性は高い一方で、折りたたみ式iPhoneは望み薄のようだ。iPadについては全世界のタブレット市場が縮小傾向にあるなか、需要を喚起するため折りたたみにする意義はあるが、売上げが好調なiPhoneについては、折りたたみ導入によるテコ入れの必要が薄いのかもしれない。