いったん投票結果は破棄

サンフランシスコ、市警爆弾処理ロボの「キラー化案」承認を撤回

Image:Stavchansky Yakov / Shutterstock (写真は記事中で議論されているロボットとは異なります)

サンフランシスコ市警察(SFPD)が市の監督委員会に提出し承認されていた、特定の条件においてロボットに殺傷能力を付加して使用する方針案が、一転して破棄された。

この案は、市民や警察官の命が危険に晒されるような場合において、既存のロボットに爆発物を搭載し容疑者を殺傷する目的で使用することを認めるとするもの。SFPDはあくまで自爆テロや銃乱射事件といった、異常かつ限定的な状況の場合にのみに適用すると主張しているが、反対する人々からは、実質的に警察が『緊急の状況』と言い令状さえあればあらゆる状況で柔軟に正当化されるようになると指摘されていた

そして方針案は、11月29日に監督委員会の投票によって8対3の賛成多数で承認されたが、これに対して公民権や市民の自由に関する団体、LGBTQ団体、労働組合などが委員会メンバーに承認を変更するよう求め、さらに市庁舎前にも反対する市民らが集まって抗議の声をあげる状況になった。

さらに市内に拠点を置く非営利団体の電子フロンティア財団は、警察がロボットを殺害目的で使用することに反対する書簡を監督委員会に送付。この書簡にはこのほか、アメリカ自由人権協会(ACLU)、アメリカ・フレンズ奉仕団(AFSC)、サンフランシスコ・ベイエリアの公民権弁護士会、国際サービス従業員労働組合(SEIU)ほか44もの地域組織・団体が署名した

北カリフォルニアACLUは「警察ががリモートで人々を殺害できるようになれば、そこでまた多くのミスや手違いが発生し、これまでに警察が何度も武器の使用範囲を拡大してきたように、より頻繁に使用されるようになっていく」と述べた。

また、サンフランシスコ公選弁護人事務局も公開の書簡で反対を表明、「SFPDが地域住民をリモートで殺害できるようにすれば、サンフランシスコは特異な存在になり、この市が長年支持してきた進歩的な価値観に反することになる」と主張、さらにオークランド市において市長が同様の提案を却下した事例を指摘した。

このような事態のなか、投票で賛成票を投じた監督委員のなかにも判断を誤ったと述べて反対派に回る者も出てきたことなどを受け、監督委員会は一転して方針案をキャンセルすることを発表した。ただし、これは決定ではなく、この問題をさらに検討するために委員会に差し戻した格好となっている。

SFPDは、委員会が投票結果を破棄して再び審議すること決めたことに関し改めて、それが「極端な状況で、命を救うか、それ以上の損失を防ぐために」使用されることを強調している。また「潜在的に致命的な状況でロボットを使用するのは、最後の手段だ。われわれは想像を絶する大規模な暴力がより一般的になっている時代に生きているのだ」と、その必要性を述べている。ただ、SFPDはロボット以外にもアサルトライフル375丁の追加配備など、半ば軍隊のような武装強化を申請しており、そちらには特に反対意見は出ていない。

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