新技術は将来の市販モデルに搭載へ

メルセデスのEV「VISION EQXX」途中充電なしでドイツから英国まで1202kmを走破

Image:Mercedes-Benz

メルセデスベンツは、電気自動車の実走可能なコンセプトモデル「VISION EQXX」で、ドイツ・シュツットガルトから英国シルバーストンサーキットまで1,202kmの道のりを、途中で充電することなく走破した。

このクルマは2020年秋にコンセプトカーとしてティザー発表された。当時は航続距離1,200kmをうたう、「世界で最も高効率な電気自動車」と宣伝したものの、1年後のシルエット公開の際には、航続距離を「1,000km以上」と下方修正。だが、今年1月の正式発表時には、ルーフに太陽電池を内蔵し、1,000km走行中に最大25km走行分の発電能力を獲得した。

VISION EQXXが搭載するバッテリー容量は100kWh。テスラ「Model S」などと同容量なので特別に大容量というわけでもない。とはいえCd値0.17という超高効率なボディ形状をはじめ、数々のテクノロジーが盛り込まれている。

そして今年4月には、初めての長距離走行としてシュツットガルト近郊の街ジンデルフィンゲンを出発、フランスのカシスに至る1,008km、11時間32分の旅を完走し「世界で最も効率の高い電気自動車」という宣伝文句に箔を付けた。

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ただ、メルセデスはこのコンセプトEVが当初、航続距離を1,200kmとうたっていたことを忘れてはいなかったようで、2度目のロングドライブにて1,200kmの走破を実現。今回の旅ではシュツットガルトを出発し、ストラスブール近くでフランス国境を通過、高速道路でカレーを通過してドーバー海峡の下を通るユーロトンネルに足を踏み入れた。

英国に入ったEVは、ロンドン近郊のブラックリーでメルセデスのF1およびフォーミュラEチームのファクトリーに立ち寄り、最終的に英国の伝統あるレーシングコース、シルバーストンサーキットに到着した。所要時間14時間30分、平均速度83km/hで、1,202kmを走りきった格好だ。

VISION EQXXはシルバーストン到着までのあいだ、その高度な熱管理システムによって、気温が高く交通量の多いルートの走行でも100kmあたりの平均電費8.3 kWhを記録している。

Image:Mercedes-Benz

メルセデスのEVシフトは、まず高級車から始め、次第に低価格市場へと範囲を拡げる戦略を敷いているので、われわれ一般レベルの消費者がスリーポインテッドスター付きのEVを手にすることができるのはまだしばらく先かもしれない。

ただ、メルセデスのマーカス・シェーファー最高技術責任者(CTO)は、1月にラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」の場で、VISION EQXXが備える新技術を2024~25年に投入するEVラインナップに搭載していくとし、その販売価格もコンパクトカーや中型車の価格帯になる予定だと述べている。

ちなみにシルバーストンでは、しばしの充電の後メルセデスEQフォーミュラEのドライバーを務めるニック・デ・フリースがVISION EQXXに乗り込み、サーキットで11周のテスト走行を実施。最高速度140km/hを記録した。

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