次は2023年末ごろだそう

中国、またもロケットを無制御で大気圏落下。ヨーロッパでは空域を一時閉鎖する事態に

Image:CGTN(YouTube)

中国が、自国の宇宙ステーションのコンポーネントを軌道に届けるべく打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の最上段モジュールを、11月4日に放置状態で大気圏に再突入させた。これに伴い、落下地点に近い南欧諸国は万一に備え、安全が確認されるまで空域を閉鎖する対応に追われた。

中国国家航天局(CNSA)は10月31日に、天宮宇宙ステーションの3つめと最後のモジュールを長征5号Bロケット4号機に搭載して打ち上げた。ミッションは問題なく進行し、13時間後にモジュールはステーションへのドッキングに成功した。

しかし、中国はこれまでのモジュールの打上げと同様に、役目を終えた長征5号Bロケットの最上段をそのまま放置。重力に引き寄せられたロケットは高度を下げ、11月4日に大気圏に再突入することが、EUの宇宙監視・追跡システムEUSSTの予測などから判明した。

これを受けた欧州航空安全機関(EASA)は金曜日未明、落下してくるロケット最上段が上空を通過すると予測されるスペイン北部の空域の一部と、フランス・コルシカ島の南の空域を閉鎖する措置を実施した。

それ以外にもポルトガルのリスボン、スペインのバルセロナとマドリード、フランスのマルセイユ、イタリアのローマなどが不測の事態になった場合に影響を受ける可能性があり、各国の航空当局はロケットの予測ルート両側70~120kmの範囲を、予測される時刻の前後数分間、空域制限するよう勧告した。

再突入時刻を正確に予測せず、前後数分間のウィンドウで管理しているのは、落下してくる物体の軌道が大気の抵抗の揺らぎから、どの程度減速・減衰するかを見極めるのが難しいから。地球低軌道を回るオブジェクトは、だいたい1秒間に8km近くも移動しているため、数分予測が狂えば影響区域は1000km以上もずれることになる。

最近Nature Astronomyに発表された論文によると、中国がいまのような使用済み大型ロケットの処分方法を続けた場合、10年間にひとり以上の死傷者が出る可能性が10%にのぼるという。

今回の落下により、過去に制御不能状態で大気圏に再突入した最大の物体のうち、4つを長征5号が占めることになった。このロケットより大きなオブジェクトは、1979年の米Skylabと、1991年のソビエト連邦・サリュート7号という2つの宇宙ステーションだけだ。

長征5号Bの次の打ち上げは、2023年末~2024年初めに予定されている。

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