サムスンにとってアップルはパネルのお得意先
アップルが折りたたみデバイスを投入とサムスンも予想
アップルが折りたたみ式デバイスを開発中であるとの噂は、特に目新しいものではない。しかし、折りたたみ式デバイス市場を牽引しているサムスン自らが、アップルが2024年に折りたたみ製品を投入すると予想していることが報じられている。
韓国の電子産業メディアThe Elec報道によると、サムスンのモバイル事業部は10月第3週に関連サプライヤーとの会議を実施。その中で、折りたたみスマートフォン市場の年平均成長率が80%に達するとの見通しを示したそうだ。
本会議ではアップルについても言及され、同社が2024年に折りたたみ市場に参入するとの報告があったとのこと。ただしスマートフォン(iPhone)ではなく、まずノートPCやタブレットからだと述べたという。また韓国市場では、20~30代のiPhoneユーザーがサムスン製折りたたみスマホに機種変更する割合が、従来の3~4倍になっているとも付け加えたそうだ。
今回の噂話で注目すべきは、発信源がサムスンとされている点だ。同社(正確にいえばグループ会社のサムスンディスプレイ)は数年前にも、アップルから「大量の」折りたたみ式画面のサンプル提供を要請されたと噂されたことがある。
サムスンはスマホ市場ではアップルと競合するが、一方では有機ELパネルを供給する主要サプライヤーでもあり、折りたたみ式製品についても何らかの情報を得ている可能性がある。
これまでも「アップルが折りたたみiPad/MacBookを近い将来に発売する」との観測は、複数の情報源から相次いで届けられてきた。
つい最近も、英市場調査会社CCS Insightが「折りたたみ式iPhoneを投入する前に、2024年に折りたたみiPadを投入する」との予測を述べていた。現状でiPhoneを折りたたみ式にすると「信じられないほど高額」となり、トラブルがあった際、信頼に傷が付くリスクも高い。とはいえ「折りたたみ式への流れが加速している」ため、まずiPadで様子見するというわけだ。
また信頼性の高いディスプレイ専門アナリストのRoss Young氏は、アップルが20インチ前後の「全画面折りたたみ式ノートPC」についてサプライヤーと協議していると述べていた。
さらにアップルの社内事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者、この謎の20インチ折りたたみ製品が「MacBookとiPadのハイブリッドを模索している」と報道。物理キーボードを繋いで20インチ画面をフルに使う、あるいはディスプレイの下半分が仮想キーボードとして機能すると示唆していた。
もっとも、The Elecが報じている「2024年」という時期は、数ある予想の中でもかなり早いものだ。たとえばYoung氏は、2026年~2027年発売の可能性があると述べていた。またアップル関連の有名アナリストMing-Chi Kuo氏も、同社が約9インチの折りたたみ有機ELをテスト中としつつ「早くても2025年に」とツイートしている。