約1年半ぶり

話題の大型ロケット兼宇宙船「Starship」、初の軌道打ち上げは早くて12月

Image:SpaceX

SpaceXが建造中の大型ロケット兼宇宙船「Starship」の、最初の軌道への試験飛行が12月に行われるかもしれない。NASAの月面探査計画「Artemis」を統括しているマーク・キラシッチ氏が、NASA諮問委員会の会合で述べた。

キラシッチ氏は、Artemis月探査計画に不可欠な要素である、Starshipの最初の軌道への試験飛行準備が、12月初旬には整うだろうとの予測を述べた。主要なコンポーネントであるSuper Heavyブースターを含めたStarshipの開発状況を考慮しても、予定には間に合う見込みだという。

Starshipの打ち上げはテキサスのボカ・チカにあるSpaceXの施設から行われる予定。このステンレスの外装をまとったロケットは軌道到達後、すぐに大気圏に再突入し、ハワイ沖に落下する計画とのことだ。

ただ、キラシッチ氏の言うスケジュールを実現するには、打ち上げ前にクリアしなければならないテスト要素もいくつかある。たとえばSuper Heavyブースターを構成する33基のRaptorエンジンすべてに火を入れる静止燃焼試験もそのひとつだ。SpaceXはまだ、7基までの点火試験と、エンジンに推進剤を送り込むターボポンプが正常に機能するかを(点火はせずに)確認する試験を実施したぐらいだ。

7月に行われたターボポンプの試験では、送り込まれた推進剤がブースターの下で発火し、エンジンを損傷する問題も発生していた。NASAによれば、SpaceXはこの事故の原因をすでに把握し、是正処置を完了したという。ほかにも、StarshipおよびSuper Heavyブースターに推進剤を積んでカウントダウンまでを実施するウェットドレスリハーサルも実施しなければならない。

また、SpaceXは6月に連邦航空局(FAA)による環境審査を受け、ボカ・チカ施設からのStarshipの打ち上げ許可を得ているが、それには打ち上げによって起こりうる環境への影響を緩和するため、75以上の項目に対策を施すとの条件が含まれている。キラシッチ氏によれば、まだすべての項目への対策は完了していないという。

NASAは、Starshipに関して4度にわたる主要な試験飛行を計画している。それは初の軌道打ち上げにはじまり、宇宙空間での月着陸船への推進剤補給テストなど、次第に「より時間のかかる」ミッションとなる予定だという。4度目のミッションは、2024年後半を目標に計画されている有人月面着陸実証ミッションだ。

すべてが計画どおりに進んだ場合、2025~2026年には、Artemis IIIミッションでStarshipが月の南極近くに飛行士を送り届けることになるはずだ。

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