ストリーミングにも値上げの波

Spotifyも値上げを検討中。ダニエル・エクCEOが発言

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世界で最も加入者数の多い定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」は、有料のPremiumプランを長らく9.99ドル/月で提供してきた。ライバルのApple MusicやYouTube Musicは先日、ここ最近の物価高の影響もあって月額料金の値上げを表明したところだが、Spotifyもどうやらこの動きに追随する模様だ。

Spotifyは火曜日に2022年第3四半期の決算説明会を開催し、共同創業者兼CEOのダニエル・エク氏はその場で、ライバルと同様に値上げを検討していると述べた。

エクCEOは、世界最大の市場である米国での値上げは「われわれがやりたいと考えていることのひとつであり、レーベルパートナーとも話し合う予定だ。それが次年度のわれわれのサービス価格についてどうなるかだが、私は良い感触を得ている」と述べた。ただ、それ以上の詳細については言及しなかった。

Spotifyをはじめとする音楽ストリーミングサービスの普及は、CD販売の衰退と違法ダウンロードによって収益が悪化していた音楽販売業界を蘇らせたが、9.99ドルという安価でのサービス提供、はたまた広告付き無料プランや学生、家族向けプランの展開も、それまでの物理媒体やダウンロード販売に比べれば、音楽アーティストの懐を暖めるものではなかった。

アップルはApple Musicの値上げに関し「アーティストの収益にも還元されるだろう」と述べていたが、Apple Musicよりも渋いと言われるSpotifyのアーティストへの支払いも、値上げされれば少しは増えるだろうか。

ちなみにSpotifyの第3四半期ユーザー数は、月間アクティブユーザーが4億5600万人、有料のPremiumプラン加入者数は1億9500万人だった。

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