やっぱり運動しなくちゃ

スマホのセンサーで5年間の死亡リスクがわかる。6分ウォーキングするだけ

Image:Kaspars Grinvalds / Shutterstock.com

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者が、スマートフォンを身につけて6分間ウォーキングをするだけで、向こう5年間の死亡リスクを推定できるとの研究結果を発表した。多くのスマートフォンに搭載されているモーションセンサーのデータを収集し、分析した。

研究を率いるBruce Schatz博士は、以前はスマートウォッチやフィットネストラッカーなど、ウェアラブル機器のモーションセンサーを使ってリスク推定を行っていた。そのうえで同博士は、スマートウォッチは歩数などをカウントしているのに対し、スマートフォンのモーションセンサーは歩行強度を捉えていると指摘。スマートフォンのデータのほうが、病院における歩行テストに近いデータであると述べている。

身体活動のレベルと死亡率の間には強い相関関係があることが知られている。Schatz博士は「多くの一般的な病気、特に心臓や肺の病気、例えば鬱血性心不全やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などには、状態を予測するのに使える特徴的な動作があることがわかった」と述べ、それがスマートフォンのモーションセンサーを使うことで予測できるとしている。

今回の研究は、英バイオバンクが収集した、約10万人の被験者による、モーションセンサー付き活動量計を1週間装着した際のデータを、スマートフォンのモーションセンサーを使ったデータと見なして分析した。

研究チームは、センサーで収集した1日6分のウォーキングと従来の人口統計学的特徴を用いて、年齢や性別に依存しない5年リスクを推定した。その際、収集されたデータから機械学習を用いて算出した、歩行速度に相当する値を、死亡率の予測因子とした。

その結果、このモデルでは、生物統計学で精度を評価する際、よく用いられる指標であるc-indexスコアが0.72だった。これは、毎日の身体活動や健康リスクに関するアンケートなど、余命推定のために収集される他の指標と同程度であると判断された。

今回の研究結果の臨床的な意味合いとしては、スマートフォンによる身体活動のモニタリングが、医師による患者の状態の判断や、その後の追跡に役立つ可能性がある。

例えば、ある年齢以上の患者や、検査で要観察とされるような結果が出た患者の死亡率を、6か月間隔で継続的に予測するといったことに、この方法が使えるかもしれない。

また、鬱血性心不全患者や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、リスクの高い患者の状態変化を評価する際にも、スマートフォンが役に立つ可能性がありそうだ。

Schatz氏は「スマートフォンは通常、ネットワークに接続しているので、モーションセンサーのデータを解析し、電子カルテに登録するよう送信できる」と語り、スマートフォンが家庭用のメディカルアラートの代用品として使えるかもしれないとの考えを示している。

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