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「電子ペーパーのナンバープレート」カリフォルニアで解禁。一般車も対象、米国初

Image:Reviver Auto

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、州内におけるデジタルナンバープレート法案に署名した。これまで、ミシガン、アリゾナ、テキサスの各州では商用車向けに認可された例があるが、一般車両に広くデジタルナンバープレートの仕様を認めるのは米国初とのことだ。なお、カリフォルニア州では2018年から、1万台を対象としてパイロットテストを実施していた。

デジタルナンバープレートとして先んじて販売されているのが、Reviver Auto社が製造販売する「RPlate」だ。通常のナンバープレートの刻印面が電子ペーパーになっており、スマートフォンなどのアプリを使うことでデザインの変更に対応する。もちろん走行中はナンバーを表示しなければならないが、駐停車中はその表示を縮小し、空いたスペースでメッセージや広告などを表示できる。

Image:Reviver Auto/YouTube

また本体にGPSを搭載しているため、盗難などの際にクルマの位置が追跡できる。その間は、SOSの表示に変えることも可能。当たり前だがナンバーが取り外されると追跡できなくなるものの、少なくともそれまでは、どこへ行ったかが分かるようになっている。

現在RPlateは、バッテリー式の一般消費者向けが月額19.95ドル/48か月の定額制で提供されており、自動車の12V電源システムから給電されるワイヤード式は、商用車向けとして月額24.95ドルで販売されている。

Reviverの創業者でCEOのネヴィル・ボストン氏は、2018年のパイロットテスト開始当時、電子ペーパー式ナンバープレートには様々な機能を追加できる可能性があると説明していた。たとえばクレジットカードと紐付けて有料道路の通行料や駐車料金の自動支払い機能を付与したり、バスなど規定人数以上が搭乗する車だけが走行可能なHOVレーンの走行許可証を表示したりできる。さらには障害者マークなどの代替、自動運転中の表示などなど。Uberなど配車サービス車両に、呼び出した客の名前を表示して乗り間違えを防止することも可能になるかもしれない。

カリフォリニア州北部のサクラメント市当局は、市が所有するクルマにこのナンバープレートを装着し、公共サービスの宣伝や、アンバーアラート(子どもの誘拐事件が発生した際に流す緊急警報)の表示に活用することを想定しているという。

便利に使える一方で、たとえばハッキングによって勝手に表示が変えられ、気づかないうちに後続車を挑発するような文言を表示されたりすれば、無用な煽り運転事案に発展することもありそうだ。このような新しいテクノロジー製品が登場し普及する際には、悪用の可能性も想定して対策をしっかりしておく必要があるかもしれない。

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